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箱根駅伝に垣間見たちょっと異様な事態

第96回東京箱根間往復大学駅伝は、青山学院大学が5度目の総合優勝を飾った。

それまでの記録を7分近く短縮する、5時間45分台という驚異的な大会記録を叩き出し、王座を奪還して幕を下ろした。

優勝した青山学院大学の原監督はこの大会記録に、「超高速時代が到来した」と声高らかに叫んでいた。

他の監督も「総合的なものの向上」「大学生のレベルが上がった」と評価していたほか、「靴で全然変わってくる」と、シューズが結果に何らかの影響を及ぼしたことに言及する監督もいたらしい。

往路は2区から5区までの4区間で区間新記録が生まれ、復路も6区、7区、そして10区で区間新記録が生まれた。いくら大学生のレベルが向上したとしても、例え気象やそのほかの条件が競技を行うに最適だったとしても、総合成績での記録更新のほか、往路成績でも復路成績でも大会記録が更新された。その中でも、10区間のうち7区間での記録更新は、ちょっと異常な事態ではないかと僕は思った。

今回、往路ではほとんどの選手がピンク色のシューズを履き、復路では左右非対称のカラーのシューズを履いていた。ランナーの間では広く知られていることだが、ソールの部分にカーボンプレートが埋め込まれた、高反発を謳ったあの厚底シューズは、ナイキ製の製品だ。

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「打算」ではなく「逆算」 ~2019年のランを振り返る

2019年は年男。昨年度の不本意を払拭すべく、今年こそ張り切ってランニングに取り組むぞ。…という思いは見事に空回りし、結局この一年も何だか不本意な年となってしまった。他人事のように今年を振り返ってみようと思う。

まず1月に出場した「勝田全国マラソン」は、練習の延長と位置付けて出場したとはいえ、伯父一家がわざわざ応援に来てくれたにもかかわらず、2年前の前回より20分も遅くゴールし、サブ3.5すらできないという惨めな結果に。(3:33:22)

この頃はちょっと心身のバランスに変調を来していたらしく、更に冬ということで練習が疎かになる中、仕事とランニングの両立がなかなかうまく行かず、レースに向けた調整もできないまま春を迎えた。ちなみに冬期間の月間走行距離を見ると、1月は勝田でのフルマラソンがあったにもかかわらず172.1km(練習のみだと150km以下)、2月になるとわずか54.4km、3月も93.5kmと、100kmにすら届かず。

練習不足は結果として如実に現れ、2019年最初のレースとなった4月下旬の「イーハトーブ花巻ハーフマラソン」では、とうとう90分切りをできずにゴール。(1:30:07)
この時も伯父夫婦と叔母が応援に駆けつけてくれたのに、結果を出すことができなかった。

更に、大型連休の期間中には、弛みきった体つきを指摘される始末。
心身の変調は顔にも身体にも露骨に出るようで…どうもすいませんね、ハイ。

一部コースが変更となった5月の「仙台国際ハーフマラソン」では、辛うじて90分を切ることができたものの、本調子には遠く及ばない状態。(1:29:06)

そりゃそうです。この頃は、昨年より体重が3キロ増えていたんだから。

6月、毎年楽しみにしている平川市の「たけのこマラソン」。
それまで出場していたハーフではなく敢えて10kmに種目変更するも、順調に距離を重ねることができたのは7kmまで。残り3kmでグダグダっぷりを発揮し、入賞を取りこぼしてしまった。
…あれ?もしかして自分、10kmの走り方すらわからなくなっている感じかも?(44:01)

しかしこの年齢になると、一度狂った歯車を元に戻すのはなかなか至難の業だということも痛感させられた。少しでも早く調子を取り戻さなければならないという焦りも重なった結果、たけのこマラソンの直後に昨年とほぼ同じ部位(アキレス腱)を痛めるという悪循環に陥ってしまった。

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タイム度外視の練習レース 第39回 #つくばマラソン (前編)

各地で相次ぐ大規模な災害。仕事柄、ここ数年は毎年のように何らかの災害対応をしなければならないという状況が続いている。練習不足の理由を仕事に押しつけるのはもってのほか、というのは重々承知だが、心身ともに疲労している中で、練習する気も起こらない、という日もあった。

実際、9月以降の練習量を月間の走行距離だけで見てみると、9月ですら150キロに及ばず、10月に至っては80キロ弱、11月も100キロ弱と、とてもではないがフルマラソンに出場するなんぞもってのほか、といった練習内容だった。10月の弘前・白神アップルマラソンでは、ペースランナーの分際で失速したのは先に投稿したとおりだったし、その直後に発生した台風19号を契機とする一連の災害では、本県の被害は大したことがなかったものの、東北地方でも福島県、宮城県、岩手県で大きな被害が発生し、その応援業務に追われることになってしまったことも、先に投稿してましたっけね。

そんな感じで、10月末に開催された「いわて盛岡シティマラソン」は応援業務で宮城県庁にいたため出場が叶わず(いや、出場しても散々な結果だったことでしょう)、今回のつくばマラソンもギリギリまで出場を悩んでいた、というのが本音。

結局今年は1月の勝田全国マラソン、8月の北海道マラソン以外、フルマラソンには出場していない。(ペースランナーを務めた弘前・白神アップルマラソンは別。)
昨年の状況を鑑みて、少し大会出場を自重したところもあったし、春にアキレス腱を痛めてしまったことも、結果として自分の士気を損ねる大きな要因となった。日頃のケアって、ホント大切。

実は昨年のつくばでギリギリのサブ3.5を辛うじてクリアしてから、一気にスランプに陥った感が否めず、その後約1年にわたってサブ3.5を達成していない。
この間、焦りがなかったといえばウソになる。しかし、マラソンは一夜漬けで何とかなるほど甘い物ではない、ということも重々承知。ということで今年のつくばマラソンでのサブ3.5は諦めることにして、まずは今自分がやれる最大のことをやってみよう、と気持ちを切り替えた。

そもそも今年は、30kmを越える練習をほとんどやっていないし、10月のアップルマラソン以降は、20kmを超える距離すらも走っていないという有り様。

だから、今年のつくばはまず結果度外視。30kmまでのペース走、それもキロ4分40秒という設定を組んでみることにした。
…いや、今の自分にはこれが限界なのですよ。両膝に痛みを抱え、未だにアキレス腱が疼き…ってまた言い訳になるのでやめます。

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反省のフリなら猿でもできる ~ペースランナー失態記(後編)~ #弘前白神アップルマラソン

(前編から続く)
今年は例年よりかなり早い地点で先頭とすれ違ったが、仲間のランナーや他のペースランナーとすれ違う度にお互いを鼓舞しながら走るのが、折り返し前後の約5km。自分がペースランナーであることを一瞬忘れそうになる、そんな区間だ。

(画像は11km付近、まだまだ余裕があった頃。)

折り返した直後、風船の動きで向かい風になったことを悟る。空に広がっていた雲が取り払われ、秋の太陽が勢力を強める。暑さを感じるし、空腹感も少し覚えるようになった。ついでに言えば、右足の裏側も痛い。知らず知らずのうちにアキレス腱を痛めていた左脚をかばい、右脚ばかりを使ってしまったのかも知れない。

いやいや、気のせいだ、こんなのは大したことではない。そう思いながら先へと進んでいくが、違和感は拭えなかった。

(25km地点、妹と甥っ子を発見して気力を少し回復!)

復路を引っ張るのはスギさん。きっちりラップを刻みながら、終始安定した走りを続けている。トミーは後方からランナーを吸い上げる役割。僕は中盤をウロウロしているだけだった。この時点で、僕自身がちょっとヤバイかも知れないな、という不安がどんどん増幅されていくこととなった。

それでも30kmまでは辛うじて持ちこたえられたものの、いよいよ31kmを過ぎ、勝手に「ゾンビゾーン」と呼んでいる辺りでペースが急に落ちてきた。平静を装いながらトミーと会話を交わす。「これぐらいのペースで大丈夫かな」「え?平均5分36秒だよ。問題ねえべ。」「う、うん…。」
ふと見ると、スギさんの風船が徐々に小さくなっていくのがわかる。ホントにヤバいな、これ。

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猿には多分わからない?#弘前白神アップルマラソン コース解説 

いよいよ今年も弘前・白神アップルマラソンの開催が迫ってきました。あと1週間ということで、準備を整えている方も多いのではないかと思います。
今年もフルマラソンで4時間のペースランナーを務めさせて頂きます。非公認のコースだからこそ、そして地元開催だからこそできる役割、そういう機会を与えて下さった関係者の皆さん、そして弘前公園ランニングクラブの仲間を始め、地元でランニングに勤しむ同志の皆さん、さらには県内外から大会に参加されるランナーの皆さんに、心から感謝です。皆さんがいなければ、こういう役割を担うこともありませんから。

さてこの大会、先程も触れたとおり公認コースではありません。だからこそ本格的なシーズン前の練習として位置付けるもよし、自己ベストを狙うもよし、ファンランに徹するもよし、人それぞれいろんな楽しみ方があると思います。

ちなみに僕にとっては、6年前のこの大会が生まれて初めてのフルマラソンでした。その時の記録は3時間34分50秒。アップルマラソンの持ちタイムとしては、これがベストということになりますが、その後の大会はペースランナーだったりハーフマラソンの伴走を務めたりだったので、今どの程度で走れるかは正直わかりません。

ただ、勝手事情を知るコースと自認している地元のランニング仲間の中でも、実は意外と走りにくいのだと評する人もいます。

今年、大会前日にコース下見ツアー・ミニ観光ツアーが行われる予定となっており、僕はコースの案内役を務めることとなっています。

昨年は台風の影響で大会自体が中止となりましたが、前回大会と大きく変わったのが、今年はハーフコースのゴールが西目屋村役場前に設けられたということ。ハーフの折り返しがなくなり、ワンウェイのコースとなったことには賛否両論色々あるようですが、それはともかく今年はゴール地点が違う、裏を返せばハーフマラソンのコースがフルマラソンの往路とほぼ一緒ということになります。

そこで、前日に予定しているコース案内を一足早くこちらでやってみたいと思います。ちなみにツアーでは全コースをバスで辿るわけではないとのことですので、ツアー参加者へのフォローも兼ねているつもりです。

【スタート~5km】
スタート地点は例年と同じく弘前消防本部の西側です。スタートして程なく、約300mの城西大橋を一気に下ります。スタート地点は当然混雑しますが、この下りで勢いをつける必要はありません。遠くに見える岩木山を眺めながら、そして、沿道からのたくさんの声援を受けながら、ああ、今日も天気がいいなあ、とか、大きく深呼吸しながら先に進めましょう。慌てる必要はありません、まだ先は長いから。1km過ぎた信号付近まで緩い下り基調、左手に小学校が見えてくる辺りは、気づかないほど緩い上りです。緩い上りに緩い右カーブ、このあたりでは弘前ねぷたのお囃子を耳にすることができるかも知れません。それを過ぎたところには岩木川に架かる岩木茜橋を越えて2km通過。橋を過ぎた後は、しばらく稲刈り後の田園風景をお楽しみください。

3kmを過ぎると再び緩い右カーブ。じわじわ上り基調となりますが、あまり気にはならないと思います。4km過ぎ、左手に岩木小学校が見えてくると、最初の給水ポイントがあります。混雑必至のポイントではありますが、必ず給水は取るようにしましょう。
ここから左折、右折の連続する区間が続きます。有人のガソリンスタンドを左手に見ながら左折すると、5km地点通過です。

【5km~10km】
道幅が多少狭くなり、上りと下りが続く区間となります。後程説明しますが、折り返した後の復路ではキモの区間となりますので、余裕があれば予習がてら脚で覚えておきましょう。7km付近までは緩い上りが続きますので、テンポ良くしっかりと。上りがあれば下りがあります。五代の集落ではりんご農家の方が私設エイドを用意しています。りんごはもちろんのこと、手作りのりんごジュースも置かれているようです。余裕がありましたら、是非。ちなみにこの辺りから建物の間にりんご畑が広がる長い下りとなりますが、下りだからといって調子に乗らないように要注意。ここで調子に乗ると、後で痛い目に遭いますから。8km地点、五代集会所の前に2つめの給水ポイントがあります。程なく右折、9kmの交差点を過ぎると徐々に道幅が狭くなっていきますが、気にせずに先へ進みましょう。

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