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佐野元春90’sリマスターBOX 詳報

先般お伝えした佐野元春の90年代リマスターボックスの詳報が公開されていた。

が、しかし。

これほど食指の動かない佐野元春作品も、ないかも知れない。

■90年代リマスターBOX、MWSで11/25より予約開始

先日第一報をお伝えした、90年代作品デジタルリマスターBOXの詳細が決定した。「MOTOHARU SANO 1990 – 1999 ORIGINAL ALBUM REMASTERED」と名付けられた今回の完全生産限定セットは、最新のデジタルリマスタリング技術+Blu-spec方式CDで提供。6作品のCDに加えて160Pを超える豪華ブックレットが収められる。価格は15,000円(税込)。販売方法はMWSストアでの予約販売(プレオーダー)方式となり、プレオーダー開始日は2009年11月25日(木)。そしてお手元への発送は2009年12月21日(火)から順次開始となる。

90年代のオリジナル6作品、『タイム・アウト!』『スウィート 16』『サークル』『フルーツ』『THE BARN』『Stones and Eggs』を1BOXに収めた今回のボックスセットは、マスターテープに記録された原音により忠実なサウンドを奏でるよう最新のデジタルリマスタリング技術が施され、ディスクも高音質CDとして評価されているBlu-spec方式を採用。皆さんがお使いのCDプレーヤーで最良のサウンドを得られる仕様となっている。

アルバム単体ごとの販売は来年春を予定されているが、今回はボックスセットならではの特別仕様となっており、CDパッケージはすべて見開きタイプの紙ダブルジャケットで統一。さらに6作品のオリジナルブックレットを一冊にまとめ、あらたにテキストを加えた160Pを超える豪華ブックレットが収められる。

現在、元春の90年代オリジナル6作品は廃盤となっており、ネットでのダウンロード販売もされていない。このため新旧のリスナーは音源を入手できず、音楽文化の観点から見ても大きな損失といえる状態が続いていた。それだけに今回の90年代リマスターBOX発売は、すべての音楽リスナーにとって嬉しい知らせであると同時に、旧作の廃盤化が続いている昨今において大変意義深いことであろう。

MWSでは今一度90年代作品を再評価するために、新たなガイドともなる元春の作品解説インタビューをはじめ、さまざまなコンテンツを用意して、90年代リマスターボックスを多面的に紹介していきます。お楽しみに!

■「Motoharu Sano Original Album Re-mastered 1990―1999」特設ページ
【Go URL】—> http://www.moto.co.jp/remaster/90s/

品番を見ると、ディスク数が6枚になっているので、結局「The Circle」のリミックスEPやシングルのカップリング曲については同梱されることなく、今のままだとこのまま闇に葬られてしまうようだ。
他にも例えば何か貴重なDVDや音源がコンパイルされる様子もない。
6CDのブックレットを、何と一冊にまとめてしまうという強引さもいかがなものか。
一つの作品としての個性はないのか、個性は!
とまぁ、難癖をつければきりがないほど出てくるぞ、これは。

バカヤロー!リマスターした上でBlu-spec盤が一枚あたり2,500円で手に入るんだ。つべこべ文句言うんじゃねぇ、なんてことになると、ファンはますます買わなくなるよ、間違いなく。

限定編集盤が発売されるたびに価格が少しずつ高くなっていることは気になっていたけど、いくら何でもこれはないって。元春のファンが求めているのは、こんな中途半端なBOXじゃないってことを、Sonyは全然わかってないね。年末商戦に乗っかった商売だよ、これじゃ。

もっとも僕は、今回の作品について元春が嬉々としてゴーサインを出したとは思っていない。

一つの作品を深く掘り下げ、日の当たらなかったところにも日を当てる。その上で、当時の作品を再評価する。今まで出してきたアニバーサリー盤って、そういうことじゃなかったの?佐野元春アーカイブって、そういう主旨じゃなかったの?
別にBlu-spec盤じゃなくても、いいです。普通のリマスター盤で、いいです。僕、そんなに耳が肥えてるわけじゃないし。

やはりここは、来春に予定しているという単体の販売開始を、期待しないで待つしかないか…。

エアロスミス、復活の狼煙?

ちょっと古い記事になるのですが、こんなのを見つけまして…。

エアロスミス、S・タイラーの事故から2カ月で活動再開

10月9日13時14分配信 ロイター
 [ボストン 8日 ロイター] 米ロックバンド「エアロスミス」のリードボーカル、スティーブン・タイラー(61)が、公演中の転落事故から2カ月を経て、バンド活動を再開させることが明らかになった。
 同バンドは、企業向けソフト大手の米オラクルが来週サンフランシスコで開催するプライベートコンサートに出演する予定。このスケジュールは事故の前から組まれていたものだという。
 タイラーは、8月5日にサウスダコタ州での公演でステージから転落。左肩を骨折し、頭部を20針縫うけがをした。     
 バンドのギタリストで、発売されたばかりのソロアルバムをプロモーション中のジョー・ペリーによると、タイラーはけがを負った後にバンドのメンバーと話をしておらず、バンドは不安定な状態だという。

ようやくエアロスミス活動再開の報が飛び込んできました。しかし、ジョー・ペリーとしては自身のソロアルバムのプロモーションに専念したいだろうし、しかも、最後の「バンドは不安定」という表現が非常に気になるところ。
まぁ、エアロスミスも紆余曲折を経て、何度も解散の危機に立たされたバンドでした。歴史をひもとくと、70年代後半から80年代前半にかけても、今回と似たようなことがあったようです(しかもその時はジョー・ペリーがホントに脱退してしまったんだよね)。
その後、あり得ないような復活劇を経て、今に君臨するエアロスミス。
スタジオアルバムとしては2004年のカバーアルバム以降全く音沙汰がないところですが(ベスト盤とライブ盤が交互に出るような状態)、新しいアルバムの製作にも取り組んでいるということなので、ちょっとだけ期待したいと思います。

しかしスティーブン・タイラーって、うちのオカンと同い年なんだ…(笑)。

BoseからMarantzへ

通勤時、iPod nano(所有しているiPod touch、しかも前世代型は未だデビューできず)に接続して聞いていたイヤフォンがいよいよ大変な状態になってきた。ちなみに今使っているのは、Boseのin-ear headphones。Appleのオンライン福袋に同梱されていたものだ。

初めて使うBoseのイヤフォンは、決して相性の良いものとは言い難かった。とはいっても音質は素晴らしいし、結構好きだったんだけどなぁ。
使い始めて1年間で失くしたイヤーチップの数、3個。Boseに送ってもらったイヤーチップの数も、3個。平日はほぼ毎日1時間~2時間の使用。雨風雪、高温にさらされながらも耐え続けた結果、使用後1年が経った頃、噂に聞いていたケーブルのほころびが出てきた。ケーブルの強度が弱い、というのは総じて見られたレビューだった。

まず最初の状態は、左側のケーブルが折れ曲がり、中の軸線がちょっとだけ顔をのぞかせ始めた。そして今月に入って、ワイヤーストッパーを引っ張った時、それと一緒にあら不思議、ケーブルの被膜まで一緒にスルスルと…。嗚呼、軸線が剥き出しに(泣)。
取りあえず今も騙し騙し使ってはいるものの、傍目にも非常にみすぼらしい姿になってしまった。辛うじてBoseのロゴがあるのでそれとわかるが、ここまで来ると本当に恰好悪い。

たかがイヤフォン、されどイヤフォン。1年半持ちこたえただけでも良しとしなければならないかも知れないが、元は12,000円を超える高額商品である。それ相応の耐久性は欲しかった。
何よりイヤーチップを紛失した、あのムキーッと来る気分、あの時のストレスを思うと、今まで使っていた中で1~2位を争う音質とはいえ、また同じ商品を購入する気にはなれなかった。

同等でなくてもいいので、何かめぼしいイヤフォンがないかと探していた時に見つけたのが、MarantzのHP101だ。
いろいろレビューを見ても評価は頗る良く、購入を決意。アルミ削り出しというおしゃれで高級感あふれるデザイン、付属品も延長ケーブルや航空機用変換プラグ等と、バラエティに富んでいる。1万円以下でこの品質は、「買い」かも。

ちなみに低音部が弱いというレビューが多く見受けられたが、さほど弱いとは思わなかった。
まぁ、これからしばらくいわゆる「エージング」でもやってみますか。といっても、正直あまり変化に気づくことができないんですけどねー。

Michael Jackson’s This Is It

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10月28日から2週間限定で公開されるMichael Jackson最後の記録映画「This Is It」の予告プロモーションが始まった。
MTVビデオ・ミュージック・アワードでのマドンナの発言。懺悔にも似た彼女の言葉に、何か、自分の一番触れてはならないところをもみくちゃにされたような、複雑な気持ちと激しい悲しみの感情が入り混じった気持ちになった。

【9月14日 AFP】MTVビデオ・ミュージック・アワード(MTV Video Music Awards)が13日、ニューヨーク(New York)のレディオ・シティ・ミュージック・ホール(Radio City Music Hall)で開催され、6月に急死した故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんに多くのアーティストから称賛の声が贈られた。

式のオープニングを飾ったマドンナ(Madonna)は、マイケルさんを「史上最も偉大な才能を持った人物の1人」とたたえると、マイケルさんはわたしたちに踊りたいと思わせてくれただけでなく、空を飛べるかもしれないとも信じさせてくれたと語った。

しかし、称賛が終わると声のトーンが変わり、マイケルさんが健康問題、歌手業、そして児童に対する性的虐待容疑に苦しみ始めた頃に手を差しのべない人が多かったと語った。

「わたしは彼を見放した。わたしたちは彼を見放した。世界を照らしてくれたこの素晴らしい人物が見過ごされていくのを許してしまった。彼に背を向けた人がほとんどだった」

こう語ったマドンナは「キング万歳!」と叫び、ステージを後にした。

誰も決して触れようとしなかった事実。そう、我々はマイケルを卑下し、そして見放していたのだ。彼が亡くなるまで。
彼が亡くなった途端、「大事な人を失った」と嘆き悲しみ、そして称賛する。ついこの間まで、「マイケル?もう彼の時代じゃないでしょ。」なんて罵倒していた人たちも含めて。
しかし、いくら嘆いたところで彼は戻ってこない。気付くのが、遅過ぎたのだ。

マイケルは死んだ。マイケル・ジャクソンはもうこの世にいないのだ。
マドンナのコメントは、そのことを痛感させられる、悲しくもあり、向き合わなければならない冷たい真実を突き付けられる内容だと思った。

10月28日。人々は一体どんな感情を持って、このフィルムの公開を目の当たりにするのだろう。

さようなら、Michael

gremz 地球温暖化

未だ現実として受け入れたくないのだが、Michael Jacksonの死を悼み、そして敬意を表したい。

朝起きてシャワーを浴び、テレビに目をやると、信じられないニュースが目に飛び込んできた。

「歌手のマイケル・ジャクソンさんが、心配停止状態でLA市内の病院に緊急搬送されました。」

その瞬間、僕の口から出た言葉は、あまりに冷淡な言葉だった。

「そうか、マイケル、死んじゃったか。」

しかし実際のところは、ニュースを見てひどく狼狽してしまい、それを必死に隠すために口から出た言葉だった。

結局、何が起きているのか、Michaelが無事なのかどうなのかもわからぬまま通勤電車に乗り込むも、いつもは惰眠を貪るはずなのに、そういう気分にもなれなかった。
やがて「マイケル、死亡か」という疑問形が「マイケル、死亡」という完了形にかわり、NHKの昼のニュースでも取り上げられていた。

この焦燥感と悲しみの入り交じった何ともいえない感情は、Luther Vandrossが亡くなったことを新聞記事で知った時のそれに似ている。James BrownやRay Charlesの時は、彼らの年齢も年齢だったし、「そうか、ついに亡くなってしまったのか」という感情の方が強かったのだが、そう、今回は先日亡くなった三沢光晴の死を知った時に限りなく似た感情だ。何故だ、どうして?まだこれからなのに…いろんな思いが交錯して、どう表現をしていいのかわからない。

ただ一つハッキリしていることは、Michael Jacksonがこの世を去ったという、信じがたくも受け入れざるを得ない事実だ。

中学校に入学する頃から洋楽にのめり込んでいった僕にとって、Michael Jacksonはまさにスーパースターだった。

世間からみても80年代を代表するアーティストであり、いろんな意味で世界中から注目されていた。しかし、その注目の度合いが高まれば高まるほど彼の奇っ怪な行動がクローズアップされるようになり、度重なる整形手術とも相まって、音楽以外の面でばかり注目されるようになっていった。その間、相次ぐトラブルで心労もたたっていたはずだ。
今年3月に行った、ロンドン公演に向けた記者会見の姿を見ても、決して元気な姿、とは言えなかった。

彼の音楽活動は2001年のアルバム「Invincible」を最後に実質途絶えていて、前述の通り最近は音楽以外の話題ばかりで注目を集めていたが、来月から始まるはずだった復活ツアーを機に、きっと何かをやらかすに違いないと期待を寄せていたのに…。
新しいアルバムだって、ほとんど完成しているとかいないとかで、昨年あたりから音源が何度もリークされていたことを考えても、結局なんだかんだ言いながらもみんなMichael Jacksonに大なり小なりの興味を持っていたんだと思う。

それにしても、何て表現したらいいんだろう。

本当に空しいというか悲しいというか、そういう次元じゃないんだよな…。
結局Michael、あなたを生で観るという僕の夢は、叶わぬものになってしまった。

でも、ひょっとしたら本人はこれでホッとしたのかな。

いろんなところから追いかけられる心配もないし、トラブルに巻き込まれることもない。
この死はMichaelにとって、迎えるべきタイミングだったのだろうし、それを静かに受け入れざるを得なかったのかも知れない。
疲れたでしょう、Michael。
もう、何も悩むことはないから。今はただ、安らかにお眠りください。

ありがとう、Michael。さようなら、Michael。

合掌