明日、ラストラン

僕の横を走り去っていった赤い機関車。8両の青い客車を牽引して、野を越え山を越え日付を越え、上野駅へと向かっていく。 August 12, 2013 at 07:00PM

昨夏は、秋のマラソン大会に向けて、職場から青森駅に向かわず、1駅先あるいは2駅先の駅まで歩く、ということを週1~2回やっていた。距離にして4~8キロ程度。
調子に乗って1時間以上掛けて10キロぐらい歩く、なんてこともあった。

昨年8月、夕暮れ迫る青森市郊外。
新青森駅を過ぎた頃、ピーッという汽笛が周囲に響き渡り、程なく背後から轟音が迫ってきた。
赤い機関車に引かれ、津軽路を駆け抜ける8両編成の上野行き寝台特急「あけぼの」。

いわゆるブルートレインと呼ばれる寝台特急がどんどん廃止されていく中、「あけぼの」もいずれその道を辿ることは、火を見るより明らかだった。

そして昨年12月、2014年3月のダイヤ改正時での廃止が正式発表された。

僕自身、「あけぼの」には幾度となくお世話になった。

小学5年生の時、初めて一人で上京したとき(といっても浦和にいる知り合いのところに遊びに行ったのだけど)、帰る直前になって上野駅の構内で7,000円の入った財布を置き引きされて、傷心のまま「あけぼの」に乗って、弘前に向かったっけ。

従姉の結婚式の時は、家族4人で「あけぼの」に乗って上京したなあ。何があったかは言えないけど、あの時の結婚式は大変だった…。

勤務してからも、何回か利用させてもらったっけ。東京に雪が舞った11月、帰りに乗車予定だった「あけぼの」が大雪の影響で運休になって、急遽東北本線回りの寝台特急に切符を変えてもらった、なんてことも…。

ということて、寝台特急「あけぼの」にまつわるエピソードは結構あるんだけど、「あけぼの」の定期寝台特急としての運行開始が1970年10月1日、僕の誕生日が1971年1月29日ということで、いわば「同学年」に当たるわけで。

まあ、そういう意味では何かちょっと今回の廃止決定が寂しいな…と思う反面、これも時代の流れなのだろう、と諦めるしかないのだろう。(既に廃止されている「日本海」同様、臨時特急として引き続き運行されるとのこと。)

ちなみに、夕方18時過ぎの青森駅3番線ホームは、現在撮り鉄乗り鉄の皆様方が「あけぼの」との別れを惜しむために各地からいらしているみたいで、日に日にその数が増幅しているのがわかる。

いよいよ明日がラストランということで、イベントも行われるらしい。もしその様子に遭遇することができたら、またレポートしたいと思う。

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