20021121 Prince @Sapporo

sappporopass

2002年11月21日(木)。
緊張と興奮からよく眠れぬまま、その日の朝を迎えた。青森県内の天気予報は「雨のち雪」。天気図の狭まった等圧線が西高東低の天気を示している。風が強いため、濃霧による欠航ということはなさそうだ。これから青森空港へ向かい、空路札幌入りする。外に出ると、やや強めの雨が降っていた。弘前から10時15分発の空港連絡バスに乗り、一路青森空港へ向かう。空港へ近づくにつれ、雨は大粒の雪に変わっていた。11時15分頃青森空港へ到着すると、出発ロビーには人が溢れ返っていた。この光景、東北新幹線が八戸まで延伸してもほとんど変わらないのではないだろうか。(注:この頃、東北新幹線はまだ盛岡までしか暫定開業していなかった。)

青森から新千歳へ向かう便は、新千歳からの折り返しとなる便なのだが、到着が遅れたため12時15分離陸の予定が、12時20分になるというアナウンスが流れる。「何てこった…」。はやる気持ちを抑えきれず、手荷物検査場へ急ぐ。「キンコ~ン」。お約束のように金属探知機が鳴る。どういうワケか僕が飛行機を利用する3度に1度はかならず反応が出るのだ。「恐れ入ります。時計、カギなどの金属類をお持ちでありませんか?」思わず「金ならここに」と股間に指差ししそうになる。こんなところで冗談言ってる場合じゃない。とにかく急いでいるのだ。

結局ベルトが原因とわかり、無罪放免。搭乗待合室から外をみると、降り出した雪がどんどんあたりを白くしていくのがわかる。「やばいなぁ。離陸できるのかなぁ」…一抹の不安が頭をよぎる。

「お待たせしました。札幌便ご搭乗の方は2番ゲートへお進みください」ゲートをくぐり、機内へ向かう。ふと外を見ると、物凄い数の除雪車が出動中。(注:今となっては全国的に名前も知られている「ホワイトインパルス」は、この頃から既に大活躍だった。)
「嫌な予感…。」

やはり僕の嫌な予感は的中した。2500メートルの滑走路に一気に積もった雪を除雪する作業のため、離陸が12時45分頃になるという。機内は、7割方席が埋まっていた。気がつくと、僕の足は小刻みに貧乏ゆすりを続けていた。
そして12時45分、「時間どおりに」離陸―

新千歳空港までの所要時間は離陸から約30分少々である。この日、僕の悪い予感はことごとく的中。天気が悪いので揺れるだろうと思っていたら、着陸体制に入ったとたんガガガガァと激しい揺れに見舞われる。あとは無事着陸することを願うしかない…と思ったら、あっけなく滑走路に滑り込んだ。まさかバス移動では…と思ったら、予想通り飛行機は直接ターミナルに向かわず、バスで移動する羽目となった。ここまで来たら、何が起きても不思議ではない。
「ま、しょうがないか…」

とりあえず到着した旨を札幌在住のD君に携帯電話で伝える。ここから札幌までは、JRを利用する。現在15分間隔の運行。時計を見ると、次の出発まで5分を切っている。ここでの15分はあまりに痛いと考えた僕は、なりふりかまわず新千歳空港駅へ向かうエスカレーターを駆け下りた。2分前に無事乗車、ラッキーなことに一人がけの座席を発見し座る。あとは、札幌に到着するのを待つばかりだ。
35分後札幌駅到着。出迎えてくれたのは一面の銀世界だった。路面は早くも凍結状態で、すっかり冬の装いである。僕が宿泊したのは札幌駅前にあるTホテル。12月14日で諸事情により閉館のこのホテル、インターネットで偶然5,000円であることを見つけ、即決したホテルである。とはいえ実は札幌のホテル事情はかなり良好で、ここより安くて新しいホテルがあるのを知ったのは、帰宅してからだった。
シングルなのにツインの部屋を用意してもらい、少しくつろぐ。前日、ちゃんと眠れなかったために睡魔に襲われるが、D君との待ち合わせ時間が迫っていたために部屋をあとにする。外気がキンキンに冷えることを「しばれる」というのだが、札幌はバッチリ「しばれ」ていた。

D君と合流し、北海道厚生年金会館へ向かう。ちょうどこの日はボジョレーヌーボー解禁日ということで、時間潰しのためにとD君がボジョレーを持ってきてくれたのだが、結局最後まで飲む機会はなかった。いや正確に言うと、2人とも約10年ぶりに彼のライブを堪能できるとあって、クールを装ってはいるものの内心バクバクで、それどころではなかったのかも知れない。
約20分近くも歩いたのだろうか。まもなく厚生年金会館到着、と思ったその時、ふと目をやると、厚生年金会館の隣にあるホテルRの裏口に、「リムジン(もちろんキャデラック)」が停まっていた。ひょ、ひょっとして?と思わず二人とも足を止める。と、助手席に黒人(あとでPrinceのボディガードであることを知った)を乗せたそのリムジンはこちらに向かってゆっくり動き出し、ホテルの支配人や社員の方々が深々と頭を下げる。「こ、これってPrince乗ってるのか…?」と思ったその時、黒のスモークガラスの向こう側に、明らかに「彼」と思われる姿が。「お、おぉぉぉ!!」と思わず奇声を発する二人。意味もなく手など振ってみるが、全く反応はない。本当にすぐそこまでの距離なのに、なぜか青信号で停止したりして、意外とゆっくりしたスピードで進んでいるため、すぐに追いつく。しかし、何もできない二人。結局そのまま、隣の厚生年金裏口にゆっくりとリムジンが消えていった。

15時30分頃厚生年金に到着すると、約30名ほどのNPGMC会員(注:インターネットで相応の金額を支払うと、1年間毎月配信される彼の未発表曲を中心とした様々な音源や動画をダウンロードできるシステムや、ライブ座席の優先権等が与えられるという、当時はかなり先駆的かつ画期的な取組だった。)が既に列を作っていた。さすがに会場外では風邪をひいてしまうという配慮からか、既にロビーで待つ段取りが整えられていた。名前を告げ、封筒を貰う。ふと脇には、都はるみや角松敏生、さらにはワハハ本舗の公演ポスターが貼られていた。こういう会場でPrinceがライブを行うということに関しては、二つの考えが浮かぶ。一つは、観客動員が落ち込んだために、致し方なく会場を狭くしたこと。もう一つは、敢えて狭い会場にすることで、ファンとの距離を縮めること。実は来日前まで僕は、前者の考え方だったのであるが、東京での各公演、浜松での公演内容を知るうちに、Princeは恐らく後者の考えを持って公演に臨んでいることを確信していた。だからこそ、こうやって会員優先席を設けたり、普段は決して公演をやらないような場所でも公演を行っているのだろう。

僕はといえば座席表に目をやり、前に並ぶ人達の数を数え、自分の座席がどのあたりになるのかを計算。これから起こる10年ぶりの再会に心躍らせながら、静かにその時を待つ。スタッフの事前説明によると、ステージ上椅子が並べられてあるので、順番に座ってもらい、そこでサウンドチェックを楽しんでもらうということ、ステージ上からメンバーが下がるまで、椅子を立たないで欲しいということなど、いくつかの注意が与えられる。そして16時30分頃、突如ホールのドアが開く。順番に入場すると、紫色のステージに薄暗く煙が立ち込めていた(ように見えたのは気のせい?)。ところがステージ上に椅子はない。前に並んでいた人たちは、客席の右寄りに席をキープし、僕らはその理由もよくわからぬまま、とりあえず中央から左寄り最前列に座席を確保した。それにしても、この客席とステージの「間」はいったい何なのだろう。5メートル以上の間隔がある。座った座席のチケットが配布され、しばしの沈黙が続く。

kouseinenkin

しばらくするとDJショーが始まり、ステージ上ではキーボード奏者の写真撮影が行われていた。会員は立ち上がることはなく、レコードに合わせて足だけでリズムを取るといった感じで、静かに「その時」を待った。
17時も過ぎ、「Princeが今会場に到着した」と伝言が回る。「さっき見たの、Princeだろ!絶対嘘!」と心の中で思ったが、ひょっとしたらホテルにシャワーでも浴びに行ったのかも知れない。まぁいいや。そして17時30分。Renatoもステージから去り、DJが「One Nite Alone」のレコードをテーブルに載せたまま姿を消した。レコードのノイズだけが静寂を埋めていく。

「そろそろだ…。」

ところが、待てど暮らせど一向に誰も現れる気配がない。17時40分…50分…18時00分。刻々と時間だけが過ぎていく。「こりゃ今日のSCはないな」とあきらめたその時、背後からにぎやかな声が聞こえてきた。一般入場の開始。結局1時間30分待たされた挙句、DJショーとRenatoの撮影会を見て終わってしまった。「やられた!」と思い慌ててグッズ売り場に駆ける。予想通り、既に行列ができていた。1,200円から1,500円に値上がりしたと聞いていた「Days Of Wild」のCDは、なぜか2,000円に値上がりしていた。さらに、パンフが全く入荷していなかった。「パンフないの?」と聞くと、「売り切れちゃって」と嘯く係員。…売り切れって、テメェ最初から入荷してねぇじゃねえかよ!と係員を罵倒したくなったが、これから始まる約10年ぶりの一大スペクタクルに備え、無駄なエネルギーを消化したくないので、グッと言葉を飲み込んだ。結局、「DOW」のCDとthe Rainbow Childrenのジャケットの描かれたTシャツを購入。

sapporoticket
(手渡されたチケットは、今も宝物として保管している。)

18時15分を過ぎたあたりで、レコードの音が徐々に高くなる。よく聞くと、Sadeのレコードが流れていたり、結構なじみのある曲が多い。
18時30分。ほぼ時間通りに客電が落ちる。「うわぁぁぁ!!」と歓声が上がる。まだまだ…と思って後ろを見たら、ほぼ満席。既に立ち上がっている客が多かった。

バンドのメンバーが次々現れると、歓声が高まる。メンバーの顔を見て、思わず「エ、エリック~?」と奇声を上げる。だって、80年代のPrinceの音楽活動をサポートしたサックス奏者のEric Leedsが参戦していることなんて知らなかったんだもの。(実際この日から参戦したとのこと。)
更に観客のボルテージが高まったところで、ついに白のシャツに薄紫のスーツで決めたPrinceが登場。うわぁ、ホントに小っちぇえ!大体、こんな間近でPrinceを拝めるなんて、夢にも思わなかったし。薄っすらと笑みを浮かべながらDrum Setに座る。何でドラムから「叫べー」「助けてー」などという声が聞こえるのかは全くの謎で、思わず大笑いしてしまった。途中ドラムスティックを1本落とすというアクシデントもあったが、意に介することもなくドラムを無心で叩いている。いよいよ始まる!という期待にバクバク。すると、更にバクバクするようなことが。何と、Maceo Parkerが会場通路から入場し、僕の目の前を横切っていったのだ。通路を開ける振りをしながら、思わず背中に軽~くタッチする。「うぉぉぉ!手洗えねぇ!」とか思ったが、その後しっかりお手洗いで手を洗っていた僕は、所詮その程度の男である。Maceoがステージに上がると、「The Rainbow Children」がスタート….。僕はこの時点で既にテンションMAXを超えていた。

20021121 SAPPORO Kouseinenkin Hall Set List

The Rainbow Children
Pop Life
Money Don’t Matter 2 Night
Purple Rain
The Work pt.1
Power Fantastic
1+1+1=3
Housequake
Love Rollercoaster
The Question Of U
Santana Medley
When U Where Mine
Gotta Broken Heart Again
The Ride
Sign O’ The Times
Take Me With U
The Everlasting Now

Encore(We Want Prince!)

Alphabet St.
Pass The Peas
All The Critics Love U In New York(Sapporo) – A Love Bizzare

=Member=
John Blackwell on drums
Rhonda Smith on bass
Renato Neto on keyaoards
Maceo Parker and Eric Leeds on saxophone
Greg Boyer on trumpet
DJ Cool
and Prince

なるほどみんなが右側に陣取りたがったのは、Princeの移動する位置がステージ右に設置されたキーボードのある方ばかりだったからなのか。僕が前回Princeを観たのは10年前、D&Pツアーの東京ドームだったが、確かに観客の年齢層は高めになっていたことは否めないだろう。ただ、そんなことを感じさせない観客の熱気というのは、いかに北海道の隠れPrinceファン(もちろん本州から渡った僕みたいな人たちも大勢いたけど)が、彼の来日をどれだけ心待ちにしていたかということをひしひしと感じることができたし、Princeの期待に沿うであろう観客レベルの域に達していたことも僕はうれしかった。Princeは終始笑みを絶やすことなく、メンバーやスタッフに的確な指示を与えていた。観客とPrince、まさにGive And Takeの関係だった。Princeも楽しみ、観客も楽しむ。意外なほど(失礼!)に北海道の観客は盛り上がり、それに呼応するだけの素晴らしい演奏を繰り広げてくれたし、Princeも「サッポロゥ」を連呼したじゃないですか。だから我々観客も一体となり、アンコールの時にはあちこちから「We Want Prince!」の声が飛び交ったわけで。

個人的に今回特に感動したのは、「Money Don’t Matter…」が聞けたこと。思えばD&Pツアー東京ドーム、この曲にかなり期待を寄せていたにもかかわらず、結局演奏されなかった曲なのだ。つまり、僕にとっては10年越しの念願達成というわけだ。「Pop Life」「The Ride」もよかったけど、なんだかんだ言いながらやっぱり「Purple Rain」には参った。涙は出なかったが、ウルウル来たよ。変な話になるが、僕はすでにNPGMCでも配信されていた「1+1+1=3」で聞こえるドラムの「パンッ」というクラップ音が好きで、実は今回、それが聞けただけでも面白かったなぁと思っている。開演前、前に並んでいた人たちが、今日は演るかも…といっていた「Power Fantastic」も正直かなりビックリした。あと、些細なことだけど、一番初めに「My Name Is Prince」と言ってくれたこと。これはかなり感激した。本当に、札幌公演をご覧になった人たちには感謝したい。何せ、東京ドームでは絶対に味わうことのないだろうという一体感を全身で感じることができたのだから。

そして、不評と言われたアンコール最後のダンスステージ、15人ほどの集団の中に僕もD君も加えてもらい、ステージに上がる機会を得た。もはや何が何だかわからくなっている状況の中、キーボードを叩くPrinceを目の前で見ることが何よりも最高だったが、今思えば半記憶喪失状態になっていたかもしれない。冷静に観るつもりだったのに。ステージ上ではエフェクターの位置を気にしながら、一応観客に気を配り、なるべくステージの邪魔にならないように、と思っていたけど、渇望には勝てなかった(ゴメンナサイ)。彼の周りは、不思議な香りが漂っていた。白塗りの化粧が汗で剥げかけているのもわかった。Rhondaは、居場所がなくなったかのように窮屈そうにベースを弾いていた。結局Princeの座るキーボード前に陣取り踊っていたが、ドラムの乾いた音だけが聞こえ、正直何を演奏しているのかはしばらくわからなかった。それだけ客席とステージでは聴こえる音が全く違うということを、改めて知った。

ステージ上から降りるよう促され席に戻ると、後ろの客が流れ込んでいて、僕の席はなくなっていた。ったく、セキュリティはなにをやっているんだろうか。手で「どけ」と合図しても、一向に移動する気配のない客。どうせこれで終わりだろう、と思っていたので、構わず席に座ると、ようやく前から人が消えた。結局翌日の仙台に間に合わせなければならないという機材運搬の関係で、18時30分過ぎに始まったステージは、アンコール含めきっかり2時間で終わってしまい、しかもダンス大会で終わってしまったことで、消化不良かつブーイング寸前の観客を尻目に、淡々と撤収作業が始まる。終了と同時にアフターショーの案内が流れる。「本日、NPGMCオフィシャルアフターショーが行われます!場所は、南七条のKING XMHU!さぁ、パーティーはまだまだ続きます!」…観客がどよめく。僕はその台詞回しの胡散臭さに閉口。しかし、観客は一向に帰る気配がない。手拍子が続く。しばらく待っても出てくるわけないし、もはやこれまでと思ったら、なんと「One Nite Alone…Live! Box Set」を抱えたPrinceが登場。再び無法地帯と化す。BOXを会場に投げ入れる素振りを見せながらにやつくPrince。でも、結局すぐにステージ奥に引っ込んでしまった。もうこれ以上登場することはないと見越した僕たちは、アフターショーの会場である「KING XMHU」に向かう。途中、仙台で合流する予定のSサン(DIRTYMINDさん)に連絡、コトの成り行きを話すと、え~マジで!!と羨ましがられる。翌日、何が起きるかも知らずに…。

身体の火照りを冷ますため、僕たちはアフターショーの会場まで徒歩で向かった。正直、結構疲れた。既に路面は凍結していて、道端には雪が積もっている。15分ほど歩くと、怪しげな店が増え始める。D君曰く「そういうところ(つまり風俗エリア)」なんだそうだ。そんな怪しい一角に、明らかに異質な、ライトアップされた建物が現れた。ここがアフターショーの会場となる「KING XMHU」である。店の前には既に行列ができていた。事情を知らない、店の常連っぽい若者が、「今日何あるんすか?」と聞いていた。「Princeのアフターパーティーだよ」というと、興味なさげな顔をして立ち去った。ふと脇を見ると、「Prince Secret Party」の看板が…。どうも北海道は「秘密」がお好きのようである。ライブの事前告知も、北海道新聞には堂々と「プリンス シークレットライブ」と書かれていたから。新聞に広告が掲載された時点で、シークレットでも何でもないと思うのだが。僕は入り口でNPGMC会員のみに配付されたパスを誇らしげに掲げると、「Member?」と黒人男性に尋ねられた。「Ya.」と応えると、「Come in」と合図された。D君が代金を払うのを待って、会場に入る。既に会場には多くの客が入場していた。僕たちもフロアーの一角を陣取り、しばらく二人で黙々と飲んでいた(しかし、350ミリの缶ビールが600円とはなかなかの高額である。結局6本も飲んでしまったが…)。この先いったい何が起こるのかも予想がつかない状況の中、それまで流れていた音楽が一変、Prince一色に変わる。しばらくみんなが踊っている様子を眺めていたが、ついに我慢しきれなくなりフロアーに出る。DJの回すレコードにあわせ身体を揺すっていると「そろそろPrinceが来るらしい」という情報が。すると、それまで全く興味すら示さなかった客が、一斉にフロアーに出て踊りだす。実は僕、ディスコクラブ、ダンスホールの類は入ったことすらないため、どうなることかと思ったが、さすがはディスコ世代がひしめいているのか、場慣れした様子でダンスが始まった。Princeをはじめとするメンバーが現れたのは0時頃。赤いスーツに身を纏ったPrinceは、2階からフロアーに軽く手を振り、VIP Roomへ消えた。トイレが2階にあるため、そこに向かうたびにVIP Roomを覗こうと試みるが、ガードがきつく、更に明かりも暗めだったため中の様子を窺うことはできなかった。結局いつPrinceがいなくなったのかよくわからないまま、気づいたら踊っているのが僕ら含め数名しかいなくなっていることに気づき、翌日のことも考えてアフターの会場を後にした。

時計は、2時30分を回っていた。路面にはすっかり雪が積もっていた。ホテルの部屋に戻るも、重低音でやられた耳がガンガンするのと同時に身体が興奮していて、結局3時間くらいしか眠れなかった。