2011年2月 5日

TPPに関する私見

TPPを巡る綱引きが、政府や各省庁内部で繰り広げられている。
※TPPとは「環太平洋戦略的経済連携協定」のことです。最近CMで流れている低燃費の親戚ではありません。詳しくはご自身で調べて下さい。

各省庁に言わせれば、それぞれが所管する組織や関係者団体、生産者などへの影響を第一に考えるのは当然である一方、それぞれの思惑が働いた結果、国内の足並みが全く揃っていない。

TPPに頑なに反対する人たち、特に農林水産業に従事している人にとっては、国内市場を脅かされることへの懸念等から反対しているものと思量される。
ただ、例えば日本の機械や工業製品が世界各国で重宝されるのと一緒で、仮に日本の農産物の輸出が自由化されれば、間違いなく重宝されることだろう。

一つ怖いのは、淡水で繁殖した外来魚のように、輸入農産物の生命力が国内の農産物を脅かすようになったり、農産物には見た目だけでは産地が判別できないため、日本産と偽った農産物が国内外で出回り、信頼を落とすようなことにならないかということ。
また、鳥インフルエンザの拡大が懸念されている昨今、TPPの議論の前に、まずは鳥インフルエンザの封じ込めをどうするか、ということがまずは最大の課題。あ、でも同じ課題を持つ近隣各国と連携しながら封じ込める、という方法もアリか...。

機械や工業製品と農産物が異なるのは、機械や工業製品は技術を盗むことで模倣あるいはそれ以上のものを作ることができるが、農産物の場合、いくら技術を盗んでも、その地域の土までも変えることはできない。

裏を返せばそれは、それぞれがその風土に合った農産物を育てているわけであって、必ずしも日本産の農産物が海外で重宝されるかと言えば怪しいところもある。ただ確実に言えることは、日本の農産物は屈指の「安全・安心」という信頼が付加価値となるはずだ。

確かに海外から安価な農産物や工業製品が入ってきた場合、消費者の動向がそちらに動く可能性は否定できない。ただ、今の日本人の指向を考えれば、いずれ国産品に戻ってくると思われるし(最近ではペットフードですら「国産」の文字が躍っているぐらいだから)、海外に市場が広がることを考えれば、それほど損失は大きくないのではないだろうか。

正直僕は、日本もTPPに参加して「攻め」の姿勢を貫けばいいと思うのだけれど、当事者に言わせれば「そんなの他人事だ!」といって怒られそう。ただ、日本の技術力を持ってすれば、海外と対等以上に渡り合えると思うんだけどな。


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