2010年2月27日

Princeの新曲「Cause and Effect」

Cause and Effect.JPGもはや開店休業状態のぼったくりサイト、www.lotusflow3r.comを覗いてみたら(セキュリティ証明に問題があるという表示が出ますが、サイトの閲覧は可能。ただし自己責任で)、サイトの左上にあるシンボルマークをクリックすると現れるダッシュボードに並ぶ「Music」に、新曲がアップがありました。というか「Music」をクリックすると、勝手に再生が始まります。
MP3で256kbps、サイズは9.3MB。再生時間は5分02秒。

で、肝心の新曲なのですが...。イントロは「Rock and Roll Is Alive!!」みたいな能天気な感じで、ヘイッ!ヘイッ!っていうチアリーディングみたいな合いの手(かけ声)がなんか邪魔っぽいし、途中で入ってくる演説みたいな台詞回しも胡散臭い(笑)。
これがプリンスにとってすべての持ち味を出し切った作品ではないにせよ、うーん...まぁ、こんなものなのかなぁ...。といった感じ。アルバムの中に入っていれば、聞き流し程度に口ずさむ曲になりそう。
ギターがギュインギュインと入ってくるのは結構好きですけどね。

2010年2月26日

ALPSLABサービス、まもなく終了

ALPSLABをご利用の皆様へ
平素よりALPSLABをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび2010年3月末(予定)をもちまして、ALPSLABおよびALPSLABで提供するすべてのサービスを終了させていただきます。

サービス終了後は、ALPSLABのすべてのページにアクセスできなくなります。
お客様が作成したデータにもアクセスできなくなりますのでご注意ください。
「ALPSLAB route」についてはLatLongLabにて後継サービス「ルートラボ」を公開しておりますので、そちらに必要なデータの移行をお願いいたします。
またブログやWebサイトへ貼り付けた地図などはサービス終了後もそのままご利用いただけます。
詳しくは「終了対象サービス」をご覧ください。

2006年3月のサービス開始以来、ALPSLABをご愛顧いただき誠にありがとうございました。
またサービス終了によりご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫びいたします。
何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

ALPSLABのサービスの一部がYahoo!に統合(吸収?)されたようで、今般サービスを停止し、一部機能についてはLatLongLabというサイトで引き続きサービス提供していくらしい。
個人的にはALPSLABのPhoto機能(右のサイドバーにある「my Photo」。地図付きの画像です)がとてもお気に入りで、Flickrに掲載した画像に地図情報を貼り付けていたのだが、今回のサービス終了に伴い、当然のことながら位置情報の貼り付けができなくなる。

結構この機能を利用している人は多いみたいで、サービス終了を惜しむ声も多い。

ではFlickrサイト内の位置情報を貼り付けてみようか、と思ってみてみると、一体どこの地図なんだ?というぐらい、思わず笑っちゃうようなメチャクチャな地図だったり...。

うーん、代替サービスの早期提供を希望!!

2010年2月25日

明日晩は「王味」

青森市民なら、知らない人はいないという「王味(わんみ)」。青森市を流れる堤川の河口近く、国道4号が走る堤橋のそばにある。
餃子とラーメンがメインのこぢんまりとした店ながら、青森市内のタクシーなら、「王味」と一言告げるだけで、ちゃんと店の前まで運んでくれる有名店だ。

朧気ながら十数年前の暑い夏に一度だけ連れて行ったことがあるような気がするのだが、酩酊状態で訪れた(ような気がする)ので、味も雰囲気もほとんど記憶なし。
一つだけハッキリと覚えていることは、「王味」を出た後、酩酊状態でありながらアパートまで自転車で帰り、翌朝起きてみたら、アパートの窓は網戸にしたままカーテンも閉めず、枕に足を置き、全裸で寝ていたということ(ちなみに部屋は1階で市道に面していた)、部屋中にニンニク臭が漂っていたことだ。
ちなみにこの日同じく自転車で帰宅した職場の同僚は、自転車ごと電信柱に激突し眼鏡を破損、顔に擦り傷を作って翌朝出勤してきた。

「王味」といえば、何と言ってもまず餃子。とにかくニンニクが効いていて、翌朝自分のニンニク臭で目が覚めるというぐらい強烈。もちろん餃子に入っているニンニクもさることながら、餃子のつけだれにもニンニクスライスが浮いている。それも、田子産ニンニクを使っているらしい(真偽の程は不明)。

青森県といえばリンゴが有名だが、最近は田子町や十和田市をはじめとするニンニクも引けを取らない。何せ青森県は国内のニンニク生産量が日本一。
収穫時期に、藤崎町(旧常盤村)の農道を車で走ると、車の中にも外にもガーリック臭が漂う。津軽地方も南部地方も、ニンニク栽培が盛んなのだ。
なので、青森県民が県産品を食らう、お手軽な地産地消。決め手くんにも褒めてもらえるだろうか。

というわけで明晩は、十数年ぶりに「王味」を訪れる。しかも、素面状態で。正直、いきなり「王味」からスタートするというのはちょっと気が引ける。「王味」といえば、何となく「締め」で訪れる印象があるからだ。
実際、21時を過ぎると店内は満席状態が続くという。
なので、出来れば近くにある焼き鳥「やまがみ」に立ち寄ってから行きたかった(ちなみに「やまがみ」のつくねは、ジャズシンガーの綾戸智恵さんが、青森に来た時は外さない、と本人がMCで語っていた)。
家の人には既に「金曜日夜は王味に行く」と伝えているのだが、王味の事情を知る(ニンニク臭が苦手な)妻からは、「帰宅後は隔離部屋直行」を宣告されている。

結局参加予定の男性陣の顔ぶれを見ると、30代後半から40代が中心になってしまった。そろそろ加齢臭も気になり始めるお年頃、ニンニク臭でごまかそうという魂胆か?
職場の20代男性二人も飲み会に誘ったのだが、多忙なのかその他の理由なのか、やんわりと断られた。対して、声を掛けた20代女性は3名とも参加すると張り切っているらしい。大丈夫か?

あとは、ニンニクの摂りすぎで胃をやられないように気をつけなければ。
詳報はまたFlickrからでも投稿したいと思います。
19時頃に店内で携帯片手にパシャパシャやっている人見たら、それ、多分僕です(笑)。


大きな地図で見る

王味
〒030-0812
青森県青森市堤町1丁目10?8
017-734-3380

2010年2月24日

Xperia、欲しいけれど...。

Xperia? | ソニー・エリクソン

Xperia(TM) | 製品 | NTTドコモ

先般、DoCoMoが満を持して発表したSony Ericssonの「Xperia」。
双方の社長が登場して機種を発表するぐらいなのだから、その意気込みたるや錚々たるものがあるのだろう。
これまでも全く手を講じていなかったわけではないにせよ、iPhoneに席巻されつつあるスマートフォン市場に、ようやく一矢報いるだけの機種を投入することができる、といったところだろうか。前々から思っていたことだが、SonyがウォークマンやCLIE(PDA)で培ったノウハウを持ってすれば、本来であればiPhoneより先にこのような機種を発表していても何ら不思議はなかったと思うのだが、結果的に後手に回ったことで、完全にAppleの後塵を拝する格好になってしまった。
嗚呼、Sonyは何故CLIEの開発をやめてしまったんだ!(笑)

さて、Xperiaの投入は4月頃を予定しているということで、一部店頭にはモックも並び、予約受付も始まったようだ。

ちょうど2年にわたるSO905iCSの分割払い(これも今思えば、何で分割払いにしたんだか...orz)が終わったところでの新機種登場に、正直言って食指は動きまくりなのだが、ちょっと躊躇しているところもある。

僕は今、iPod touchとSO905iCSとCLIEを持ち歩き、それぞれ使い分けているのだが、Xperiaを持つということは、iPod touchとCLIEを持つ必要性が格段に減る可能性がある。しかしその一方で、iPod touchやCLIEが有する全ての機能をXperiaが補完できるかというと、なかなか難しいところだ。

主な使い分けは次の通り。
・SO905iCS
電話、iモード、メール、静止画の撮影投稿、おサイフケータイ、時々Twitterとmixi

・iPod touch
音楽、動画鑑賞、Nike+との連携、ゲーム、時々Twitter

・CLIE
スケジュール、金銭管理

iPod touchで行っている音楽、動画鑑賞はCLIEでも可能だし、音楽だけであればSO905iCSでも可能。CLIEで行っているスケジュール管理であればiPod touchでもSO905iCSでも可能だろう。

そう考えると3つをくっつけて一つにしたような媒体があれば一番望ましいのだが、長年使いこなしているソフトもあって、どうも切り離しの踏ん切りがつかない。

SO905iCSのカメラ機能は、CSが「Cyber-Shot」の略であるように、(2年前の機種なので)画素数は確かに若干劣るかも知れないが、僕にとっては十分すぎる機能を有しているし、iPod touchのNike+との連携機能も、他の二つでは補うことが出来ない。CLIEにインストールしている金銭管理ソフトも長年使っていて、特にクレジットカードの引き落とし機能などは単なる「お小遣い帳」の領域を既に越えていて、僕の中では手放すことの出来ないものとなっている。

そう考えると、この三つの機能を一つにするのはどうも難しいようで、やはり別物として3種3様のデジタル機器を持ち運ばなければならない。

さて、Xperiaの基本機能などを見ると、何でも詰め込み型の携帯とは異なり機能が特化されているのはいうまでもない。
なので、乗り換えた場合、これまで使っていたを大幅に削る必要がある。

一番の問題は3つのデジタル機器もまともに使いこなせない僕が、Xperiaの機能を使いこなすだけのユーザーかということだけなんだけれど...。
しばらくは様子見を決め込みますか。

2010年2月23日

弘前市長選と市議補選

父亡き後、しばらくこの話題からは避けるようにしてきたのだが、いい加減そろそろ触れておこうかと思う。
弘前市長選が約2ヶ月後に迫ってきた。出馬を表明しているのは今のところ現職と元副市長の2人。

そもそもこの戦いは、現職が副市長に叩きつけた三行半から始まった。
これまでも現職は、いろんな会合に出席する一方で、「市長代理」として副市長を出席させることはほとんどなく、部長などの幹部職を充てていたようだ(実際僕が出席したある会合でも、市長代理で部長が出席していたことがあった)。
市長は、副市長をはじめとする市幹部が、自身の対抗馬として出馬する動きを警戒していたらしく、実際、市長と対立する経済界が、副市長を次期市長選に擁立する動きを察知した途端、副市長の言い分を聞くことなく辞表の提出を求め、結局副市長は自ら辞表を提出する形で副市長の座から退き、次期市長選への出馬を表明した。

現職は元県議(6期)を経て現在1期目。元々党や組織に縛られる人ではなかったが、その一方で、我が強い(悪く言えばワンマンである)ことでも知られていた。現在副市長は空席となっているのだが、今回出馬を表明している元副市長と、もう一人の副市長が途中退任している。
二人の副市長に共通するのは、元県職員OBだということ。

個人的には、県議時代の現市長とはほとんど仕事上の接点がなかったので、正直言ってどんな方なのかは知らない。ただ、最近ではあまりいい話を聞かないのが現状だ。実際、市役所内部での職員からの評価も芳しくないようで、自身の政策として掲げたことを翻意したり、相当なワンマンだということは、我々市民の耳にも聞こえて来ている。
とりわけここ最近の現市長の動きは「迷走してるのか?」と、思わず耳を疑うような言動が多いのだが、副市長を巡る問題もその典型的な例の一つだろう。県議時代からの縁で三顧の礼を持って迎えたはずの二人の副市長が、いずれも「一身上の都合により」辞表を提出するに至ったのは、市長のあまりに傍若無人な振る舞いに耐えられなくなったからだ、というのがもっぱらの噂だ。

対する元副市長。こちらも直接的な仕事の接点はなかったのだが、一度だけお酒を飲む席で一緒になったことがある(恐らく向こうは覚えていないと思うけれど)。いわゆる技術職で土木行政に精通しているため、これまでの実績としてもいろんなインフラ整備について強調しているようだ。
ただ今回、元副市長を担ぎ上げたのが、現市長と真っ向から対立する市経済界の面々であるため、どうしてもそちらの方を議論の焦点にしていきたいという節が見え隠れする。なので、下手をするとそういう市経済界の面々の顔色ばかりを窺うことになり、結果的に市民に顔向けしなくなる、ということも懸念される。

これまでのところ、双方の動きがほとんど見えてこないため、どうも今ひとつ盛り上がりに欠いているような気がするのだが、市町村の合併から4年を経過し、現市政が市の活性化や発展のためにどのような対策を講じてきたかについて、市民として評価し、判断を示さなければならない。

だから、現職が得意とする農業政策や、副市長が主張する雇用・経済対策に限ったことではなく、合併効果の検証も含め、全ての施策に関する議論を尽くすべきだと僕は考える。現職には、都合の悪いことに口をつぐむことなく、これまでの4年間で行ってきた「実績」をアピールして欲しいし、副市長には周囲の声に惑わされることなく、正々堂々と政策論争をして欲しいと思う。

さて、同じ日には市議の補欠選挙も行われる。欠員は1。欠員を生み出したのは、父だ。
こちらにも複数人の名前が取り沙汰されている。
ひょっとしたらまた新聞上で、余計な枕詞を伴った父の名前を見ることになるのかも知れない。

友人知人からは「次の市議選、出るの?」と聞かれたこともあったし、正直言うと、一時期父の遺志を継ぐべきかちょっと悩んだこともあったのだが、考えてみると父と僕はある意味真逆な生き方をしているわけだし、そもそも僕にはそんな器量があるわけもなく、今はその気持ちも完全に失せた。

誰が選ばれようとも、我田引水みたいな活動をするのではなく、住民の声に耳を傾け(それも自分を支援している人の声ばかり聞いていては駄目)、市の政策に反映させるような活動を。

それができないなら、ちょっと考えるぞ(笑)。

2010年2月22日

弘前市「なかた屋」 背あぶら濃厚魚介中華

チョコを病院に連れて行った帰りに、妻が「ラーメン食べたい」と言い始めた。
思えば、チョコの発症以来、週休日の外食を極力手控えていたため、中華そばが無性に恋しくなったのだろう。
途中家に立ち寄り母を乗せ、向かったのは弘前市神田にある「なかた屋」。以前も紹介したことのある店だが、あの日以来、妻と僕はすっかりここの味の虜になっている。

チョコは車の中で留守番。母に言わせると「私が買い物している時はいつも車で待っているから大丈夫だよ」とのこと。その言葉を信じ、チョコには申し訳ないけれど、車の中で待って貰うことにした。

どうやら大分認知度も上がってきたのか、店を訪れると既に席が埋まっていて、席が空くまで店の前で待つことになった。店の前に貼られているメニューにふと目をやると、新しいメニューが増えていることに気づいた。

弘前市神田・なかた屋の新メニュー

「背あぶら濃厚魚介中華」?

青森市新城にある「ひらこや」の味が真っ先に思い浮かんだが、どんなものなのかは食べてみないとわからない。ということで早速注文してみた。
妻と母は「定番」とも言うべき煮干し中華を注文。

弘前市神田・なかた屋「背あぶら濃厚魚介中華」
運ばれてきた二種類の中華を食べ比べてみたのだが、「あっさり」と「こってり」がハッキリと分かれる味だった。「背あぶら濃厚...」は、文字通り背脂のこってりとした味に、魚介の粉が大量に混じり込んだスープと相まって、味はスッキリなのに飲み口がこってりという、好き嫌いがハッキリと二分されそうな味わいに仕上がっている(ちなみに僕は、「好き」。それも、「大好き」)。

更に、太麺に絡む背あぶらと酸味の効いた煮干しスープのコントラストが、僕の味覚を刺激し続ける。
弘前市撫牛子にある「たか○し中華」には悪いが、僕の定番店はもはやこちらに完全にシフトしつつある(だって、「た○はし中華」は値上げに次ぐ値上げで高額なんだもの)。

このスープを飲んだ後に「煮干し中華」のスープを口にしてみたのだが、これがまた驚くほどあっさりとしていて、それはそれでまた「旨い!」と感じさせる味わいだった。

妻が残した「煮干し中華」と「背あぶら濃厚...」を交互に食べ比べ、大満足。
そういえば細麺があるんだけど、まだ注文したことなかったな。
ということで次回の「なかた屋」は、細麺をお届けします(笑)。

驚異的回復

昨日、チョコを動物病院に連れて行った時のこと。
思えば先月24日に発症以来、まもなく1ヶ月。当初は余命1週間だろうということで覚悟を決めていたつもりだったのだが、衰弱するどころか逆に以前のパワーを取り戻しつつあるような状況だ。

チョコは、僕が運転する車に乗せられた時はどこに連れて行かれるのか察するようで、落ち着きがなくガタガタと震え始める。病院に到着してから待合室にいる時も、ずっとガタガタと震えている。

程なく、チョコの名前が呼ばれた。
獣医と対面するのは2週間振りで、今回は果たしてどんなことを言われるのか内心ビクビクしていた。ただ、前回と比べて診察台の上に乗せてもまな板の上の鯉状態で横たわっていることはなく、前脚で自分の身体を起こした。

獣医は学会か何かの都合で渡米していたのだが、その間もチョコのことは気にかけていたようで、国際電話で状況を聞いていたようだ。

診察台に乗せられた途端、前脚で身体を起こし、ガタガタと震えながらも凛とした表情を浮かべるチョコの姿を見て、獣医が舌を巻いた。

「止まりましたねぇ!うん!止まったな。米国にいた時も電話で元気だとは聞いていたけど、よかったねぇ。」

どうやら進行性だと思われていた病状が止まった、ということらしい。
嬉々とした声色にも聞こえる獣医の言葉は、今回が初めてだったような気がする。その声を聞いて僕は、思わず泣きそうになった。

決して自発的ではないが、誰の手を借りることなく排泄も自然に行われていること、食欲は以前のように取り戻したこと、下半身が不自由である以外は、普段通りの行動に戻りつつあること...。

これまでは、病院を訪れるたびに「良くなることは考えず、これ以上悪くならないことを考えましょう。」ということばかり言われていた。
獣医も「いやー。運ばれてきた時は全然動けなかったし、あの状況を考えると...ねぇ!ホントによかった。」
恐らく一瞬間の空いた「...」に込められた思いは、僕たちが考えていたことと同じことなのだろう。

「ただ、まだ油断は禁物ですよ。大分痩せましたけど、太ると前脚に負担がかかりますからね。体重は勿論、普段の管理も怠らないようにしましょうね。特にこうやって前脚で立てるようになっても後ろの自由が利きません。床擦れには注意ですね。」

僕と妻は獣医の言葉に頷くだけだった。

その後、しばらく触診を続ける獣医。
「いやぁ、よかったね。じゃあ、薬の量を減らしましょう。ステロイド剤を半分にしましょうね!」

あれほど深刻な表情を浮かべながら「余命宣告」とも言うべき言葉を告げた獣医の表情はそこにない。むしろ、後ろ脚が不自由でも何とか生きていけるんじゃないか、そんな前向きな言葉を獣医の口から聞くことが出来ただけでも、本当に良かった。

チョコは相変わらず、家に帰ると喉が渇いたと空吠えし(ただし、筋肉が落ちているので声になっていない)、食事を始めると自分にも何か喰わせろと空吠えする。でもそれは、1ヶ月前に何の不自由なく動き回っていた頃と何ら変わらない。

どうやらもうしばらくの間、3匹と戯れることのできる時間を与えられたようだ。

2010年2月19日

言われてみれば、確かに...

青森県は、ウィンタースポーツの盛んな地域である。スキーにしてもスケートにしても、最近ではカーリングも地域に根を下ろしている。

僕自身、かれこれ15年ぐらい前までは、毎年1~2度県内外のスキー場に足を運んでいたが、大して上手くもない屁っ放り腰のスキーだったし、結婚したのを機にどんどんスキー場からは足が遠のいてしまった(妻はウィンタースポーツが大の苦手)。以来、ウィンタースポーツに興じるということはほとんどなくなった。強いて言えば、家の周りの雪かきをすることが、僕にとって唯一のウィンタースポーツ(?)かも知れない。

現在行われているバンクーバー冬季五輪。
僕にとって一番の注目は何と言ってもカーリング女子の「チーム青森」だろう。今日現在で中国に敗れたため1勝2敗と星勘定はやや苦しくなりつつあるが、これからの巻き返しに期待したい。
ただし。チーム青森とはいうものの青森に生まれ育ったメンバーは皆無で、皆さん県外から「移住」している方ばかりだということは周知の事実。
ちなみに女子スキー・クロスカントリー代表の福田修子選手は、お隣の大鰐町出身。
そういう意味では今回のオリンピック、青森県出身者は福田選手のみ、ということになるらしい。

しかし、ある方がTwitterで「オリンピックはマイナースポーツのバーゲンセール」みたいなことを呟いていたのを見たのだが、よく考えてみると、カーリングを始めウィンタースポーツを真剣にテレビ観戦するのは、4年に1度しかない。

スキーのジャンプ競技やフィギュアスケート、アイスホッケーなどであれば、オリンピックでなくとも放映される機会があるので目にすることはあるが、例えば残念なことに死亡事故を起こしてしまったリュージュやボブスレー、スケートのショートトラックにバイアスロン等、五輪がなければほとんど観ることのない競技も多数ある。

例の服装問題で強烈なバッシングを受けた国母選手(のおかげ)で、一躍注目を集めたスノーボードのハーフパイプだって、日本国内においてはメジャーなスポーツとは言い難いだろう。

そういう観点からすると、「オリンピックはマイナースポーツのバーゲンセール」という発言は言い得て妙であるような気もするし、裏を返せば「観たこともない競技を知る(知らしめる)絶好の機会」という捉え方も出来るだろう。

その最たるものが前回のトリノ五輪でのカーリングであり、当時の「チーム青森」の面々が、それまでほとんど日本人の興味を引くことのなかったカーリングの知名度を一気に高めるのに一役買ったことは、言うまでもない。
実際僕も、それまで観たこともなかったカーリングという競技の奥深さにはまり、2時間以上続く長丁場の競技でありながら、選手の一挙手一投足に、目を凝らしてテレビにかぶりついていたものだった。

今回、国母選手の騒動に端を発したことは否めないが、スノーボード・ハーフパイプの知名度は格段に上がったことだろう。スノーボードに乗った選手達が繰り広げる体操選手ばりのアクロバットなプレイに感嘆の声を上げたのは、僕だけではないはずだ。

国母選手の騒動については、本人は「自分のスタイルと思いは最後まで曲げなかった。」ときっぱりと言い放った。それを受けて相変わらずバッシングを続けるマスコミの過剰とも言うべき報道にはうんざりするし、ご家族や周囲の方々の心痛を思うと、何とも居たたまれない気持ちになる。何も五輪の競技はハーフパイプだけではないし、他にも競技はまだ続く。そういう点からすれば、しばらくそっとしてやってもいいんじゃないか、というのが正直なところだ。
ま、帰国した時には、マスコミの方々が何かまた悪意のある言葉を引き出そうとするんだろうけど。

もう一つ。リュージュとボブスレーの女子は、競技開始前に失格となる大失態。それこそ何のためにバンクーバー五輪を目指し、何のためにバンクーバーまで行った のか。あまりにも選手は可哀想だけど、お粗末すぎる。管理者の責任は間違いなく問われるだろうね。

何かと言えば「メダル、メダル」とけしかける実況のアナウンサーも、ハッキリ言って耳障りなことこの上ないし、大体メダル獲得予想なんて何の根拠もなければ意味もないと思う。過剰な期待を寄せすぎてガッカリするのを見るのも何か間抜けだし、選手の人たちが納得のいく競技が出来れば、それでいいのではないんだろうか?と思ってしまう。

総括では必ず前回のトリノ五輪と比較してメダルの数は...ということになるのだろうけれど、内心誰だって一番輝いている色のメダルを目指していることだろう。だったら、結果としてメダルを取れればそれでよし。数に固執することはないと思う。
といいつつ、「え?マジで?」というような意外な競技で日本人がメダルを獲得し、その競技に急にスポットが当たることをちょっとだけ期待。五輪効果って、そういうところにもあるんじゃないのかな(北京五輪のフェンシングみたいに)。


2010年2月18日

Twitterをはじめたら...

何かこちらのブログの更新頻度が落ちたような気が...(汗)。
いや、気のせいではないですね、多分。

まぁこれはあらかじめ想定されていたことではありますが、Twitterが何のことやらわからない方もこちらを訪れているはずですので(そう、あなたですよ。笑)、Twitterを簡単に説明しますと、日経MJによる2009年のヒット商品番付で、西の小結に格付されたもので(ちなみに横綱は「エコカー」と「激安ジーンズ」。これらについては2010年ではランク外となり、「引退」の可能性大。)、ひょっとしたら2010年のヒット商品番付では、大関、いや横綱まで「昇進」する可能性を秘めているかも知れません。

更に具体的に説明するならば、Twitterに登録したユーザーが140字以内の「つぶやき」を発することで、「ゆるいつながり」が発生するというコミュニケーションサービスです。
昨今ではネット上での選挙活動解禁がにわかに現実味を帯びてきておりますが、仮にそうなった場合、まずこのTwitterがその一翼を担うことは間違いないでしょう。

まあ、かくいう僕もTwitter歴は浅く、ある意味初心者ですのであまり詳しいことはわかりません(えらそうに書きましたが、全部受け売りですのでご容赦を)。

で、Twitterを始めてみて面白いなぁ、と思ったのが、何気なく投稿した内容に時折寄せられる反応。
事業仕分けを行った後、「見直し」「廃止」とされた事業が手を変え品を変え復活しているのを呟いたら、他の方々にReTweetされ、蓮舫議員( @renho_sha )から「再度見直し予定」という呟きが寄せられていたこと。もちろん蓮舫議員とは全く面識がないんですが、これをいわゆる「ゆるいつながり」というんでしょうね。同様に、Sing Like Talkingの佐藤竹善さん(@ChikuzenSato )からも突っ込みのRTが寄せられたことがありました。

こんな感じで、有名な方はもちろん、全く見識のない方とも何となく繋がっていくというのがTwitterの面白さであるのですが、あまり間抜けなことというか自分本位な事ばかり呟くと、有識者からやんわりと指摘されることもあるので注意ですね(経験あり)。

勿論有名人の方々の呟きを見るのも面白いのですが、地元の方々と繋がりながらいろいろ情報を得るのも楽しいですし、青森県出身者の方々が県外で呟く内容も非常に興味深いです。
その他、僕の好きなプリンスのファンの方々との繋がりや、全く見ず知らずの方々とゆるーく繋がっているのも何だか不思議です。

で、僕はmixiにも登録しているのですが、Twitterの呟きは特定の内容を除くと全てmixiボイスに転送されるように設定しています。なので、極端にmixiボイスに僕のボイスが連続することがありますが、それはたまたまTwitterで連続投稿したか、あるいはまとまって転送されたかのいずれかですのでご容赦を。

もう一つTwitterを始めて変わったのが、好き勝手綴っていたブログの中身を見直すようになったこと。自分のブログだから何を投稿しようが勝手だろ、といえばそれまでですが、自身の投稿内容には責任を持たなければなりませんからね。

とはいえ、こちらを閉鎖するつもりは毛頭ございませんので念のため(笑)。適宜使い分けながらやっていきますので、これからもよろしくお願いします。

2010年2月17日

久し振りにT.T.D

無性にTerence Trent D'arby(T.T.D)が聴きたくなった。


それも、昔のではなく今のT.T.Dだ。



嗚呼、懐かしいっす(涙)。

しかし、T.T.Dはもういない。いないといえば語弊があるが、改名してSananda Maitreyaになってしまったので、T.T.Dという名前では存在しない、ということだ。
話がややこしくなってしまうのでこれぐらいにしておくが、久し振りにSananda Maitreyaのサイトを訪れてみると、昨年6月に新しいアルバムが発売されていたことを知った。

思えばSananda Maitreyaのアルバムは、改名後の2001年に「Wild Card」というアルバムが一枚出たのを最後に、国内盤は発売されなくなった。商業的にも散々だったことは、明らかだったけれど、アーティストからは結構評価が高かったらしい。
総じて見ても、デビューアルバムは万人受けしてバカ売れしたものの、2作目はデビュー作とのギャップからか評価が二分し、結果的に彼の知名度を下げることになってしまったが、アーティストからは好評かを得たという(出典:Wikipedia)。
そう考えると彼は、玄人受けするアーティストなのだろう。

ただ、AmazonやHMVをはじめ、音楽を扱う大手でもSananda Maitreya名義のアルバムは一切取扱していない。
彼の公式サイトを訪れると、無料のMP3音源が10曲ほどあり、それを聴くのも一つの手だろう。また、サイトでは数多くの音源がオンラインで販売されているので、それを購入するのが手っ取り早い。

しかし何か物足りなさを覚え、ここは一念発起とばかり新しいアルバムと前のアルバムをCDで購入してみることにした。
手続きはそれほど面倒ではなかった。しかし、2つのアルバムで日本円にして6,000円を越えるというのは、海外からの送料込みとはいえ決して安い買い物ではなかったが、購入手続きから約10日で送られてきた2つのアルバムを一聴し、購入は間違いじゃなかったと確信した。

時にワイルドで、時に優しいしゃがれた声は相変わらず。
前述の通りT.T.Dとしてのキャリアは、デビューが鮮烈だった分その後は鳴かず飛ばずでパッとしなかったけれど、改名後は何か逆に自分の音楽を好き勝手楽しんでいるような感じ。

国際便で送られてきたパッケージは、DVDサイズのケースにそれぞれCDが封入されていた。
ちなみに『ANGELS & VAMPIRES』はCDが封入されているだけだったが、『NIGOR MORTIS』にはおまけにもならないようなブックレットが同梱されていた。相変わらず全ての楽曲の作詞作曲演奏を自分自身で手がけているらしい。裏面には、歌詞やクレジット(使用機器)については、公式サイトを見てくれって書いてある。

ANGELS & VAMPIRES - 2CD LIMITED EDITION

AV_CD_front_400.jpg

同タイトルのvol.1とvol.2を同梱パッケージしたもので、2枚組CDとしては2007年に発売(音源は既にサイトで販売されていた)。
「これはローリング・ストーンズの...(もぞもぞ)」といきなり歌い出す2曲目「Angie」でちょっと度肝を抜かれた感じ。40曲も収録されているので、捨て曲みたいなのもないわけではないが、聴き応えは十分。



NIGOR MORTIS

SANANDA_ MAITREYA_NIGOR_MORTIS_CD_400px.jpg

23曲収録。元々は4つのチャプターに分けてオンライン販売した内容を一つにまとめたもの。いろんな楽器を多用しているのだが、いわゆる機械的な音というか今流行の音は全く聞こえてこない。相変わらず信念を貫き通しているのか、それとも彼自身が新しい音に興味がないだけなのか。
Sananda Maitreyaに改名しようとも、何が変わったというわけではなく、全く違和感なく聴くことができる。




残念ながら昨日から始めた名盤にはまだ届かないが、聞き込むうちに名盤入りする可能性もあるかな?なお、YouTubeでは、maitreyasananda名義で公式チャンネルも展開中。T.T.D時代の懐かしいPVから最新のライブ映像も展開してます。彼の名前にピクンと反応した皆さん、要チェックです!

2010年2月15日

【新】 今日の名盤(不定期更新)

Q's Jook Joint/Quincy Jones

今までいろんなCDを購入してきた中で、この作品については生涯でも3本の指に入る名盤ではないかと思っている。
クインシー・ジョーンズが、当時の旬ともいうべきアーティストやら新人やらいろんな人を集めて作った作品。息継ぎする間も与えずこれでもか!これでもか!と、まるで玉手箱をひっくり返したようにアーティストが登場する。その数総勢100人を越すとか越さないとか。スティーヴィー・ワンダーにレイ・チャールズ、マイルス・デイヴィスにU2のボノ、LLクールJにブライアン・マクナイトにチャカ・カーン、ベイビーフェイスにフィル・コリンズにハービー・ハンコック...と、参加アーティストを羅列するだけでこのアルバムの「凄み」が伝わってくる。
この作品と『Back On The Block』の双璧は、ホントに凄い。

僕にとってクインシー・ジョーンズといえばそれまでは、マイケル・ジャクソンのプロデュースや「We Are The World」を手がけた人という領域を出なかったのだけれど、この作品を初めて聞いた時は本当にビックリして感動して、凄い人なんだということを改めて知らされた。

もっともマイケルの場合は、クインシーの手から離れた頃から何やらおかしな方向に進み始めたという評価をする人もいるみたいだけれど、かといっていつまでもクインシーの傘下というか息のかかったアーティストであったとするならば、亡くなったとかそういうことは別として、今日のような高い評価は受けていなかったかも知れない、と思う。

クインシーについては「愛のコリーダ」を推す人も多いけれど、僕ならば間違いなくこちらを推す。

クインシー・ジョーンズという冠さえあれば、歴史や時代、肌の色なんて関係なく誰だって呼べるし、「We Are The World」も簡単にできちゃうんだぜ、なんてことを強烈に印象づけた一枚。

15年経った今も斬新な作品だということが、いつ聴いても凄いな!という感想しか出てこない。
そんなクインシーも、もう75歳を越えたんだ...。


2010年2月10日

更新の頻度が落ちてます。

今に始まったことではないのですが、最近ブログ更新の頻度が下降気味。
仕事がちょっと忙しくなっていること、家に帰ると犬(チョコ)の介護が待っていることなどから、他のことに気が回らないのが主たる理由です。かといってチョコの近況ばかり記すのもどうかな、と躊躇、結局今日に至っています。

明日からはちょっと旅に出てきます。
どこに行くかは今は秘密ですが、秘密にするほどのことでもないのかな?
ということで更に更新がおそろかになること必至。TwitterやFlickrを通じて報告できれば幸いですが、さてどうなることやら。

ところで、Google Buzzなる機能が公表され、にわかに話題になっていますが、どういうメリットはあるんでしょうか。ざっと見たところ、いわゆるSNSのポータルサイトっぽい感じなのかな?取りあえず乗っかっておけということでアカウントは押さえましたが、Twitterですらイッパイイッパイな私にとって、使いこなせる自信は全くありません。
結局Google Buzzもmixiボイス同様、Twitterからの発言の塗り直し、ということになりそうな雰囲気です。メールも使うことなさそうだしなぁ...。

2010年2月 8日

温泉

弘前市周辺には、多数の温泉が湧いている。弘前市内だけ見ても、岩木山の周りにはいろんな泉質の温泉がある。近隣市町村も同様で、単純泉から濃厚な硫黄泉まで、多岐にわたる。

土曜日の弘前は今まで見たことのないような猛吹雪と大雪に襲われ、朝から3度にわたって雪かきをした。日曜の朝も除雪車が残していった置き土産(道路の雪)と家の周りと合わせて、約1時間近く雪かきをした。
かなり身体が冷えた感じ。首と腰も何となく痛い。

妻からの提案もあり、久し振りに温泉に行くことにした(ただし妻は留守番)。
母も行きたいということで母を乗せ、20分程車を走らせる。徐々に雪が深くなり、道幅がどんどん狭くなっていく。集落の中の車のすれ違いも出来ないような生活道路を抜けたところに、その温泉はあった。初めてやって来た温泉だが、母がいなければ絶対に辿り着くことはなかっただろう。
駐車場には既に多くの車が停まっている。ちょうど夕方の時間帯ということもあり、混雑しているのかも知れない。

料金は、一人たった200円。受付に500円玉を置き、「母さん、大人2人分。500円置くからお釣り100円貰うよ」というと、奥に座る婆さんが「あいよ。」と一言だけ。婆さんの周囲には犬がまとわりついているが、犬の可愛さとは対照的に、お世辞にも愛想の良い婆さんではない。
廊下には、無造作に積まれた段ボール。中には野菜とリンゴが置かれている。どうやらこれも、売り物らしい。

建物は結構古く、しかも何だか寒々としている。廊下には待合用のソファがポツンと置かれているが、ここに暖房が入っている気配はない。
「男湯」と書かれた戸を開ける。いきなり目に飛び込んできたのは、目隠しの用を全く為していない番台。このあたりで着替えていれば、女湯の脱衣所が丸見えだ。ただ、農家集落の一角にある温泉は、このあたりの住民の為の温泉と言っても過言ではないのだろう、勿論そんなところで着替えている人はいないし、大体、地元の婆さん達の濁声しか聞こえてこないような脱衣所をわざわざ覗く気にもならない。
脱衣所のロッカーもかなり古く、鄙びている。ロッカーの上を見ると、多くの綿ゴミが散らばっている...(苦笑)。サウナなんて高尚な施設も、もちろんない。

浴場に行くと、これまた綺麗とは言い難い湯船がどーんと一つ鎮座。湯がこれでもかと言わんばかりに溢れている。Lの字に囲むように、10人ほどが座れる洗い場がある。ただし、シャワーがない(笑)。

あれほど車が停まっていたのに、入っていたのは2人だけ。しかもそのうち一人は、既に上がり湯の状態だった(母に聞いたら、女湯の人が結構多かったらしい)。
まずは身体を流し、湯船に浸ってみる。
湯船の前、透明なガラスの向こうには、雲を被った岩木山が日の暮れた中にうっすらと浮かび上がる。

...ちょっと待てよ。

この温泉の前には道路が通っているんじゃなかったっけ?と思った瞬間、スゥッと車が走り抜けていった。
何だよ。これじゃ外から丸見えじゃねえかよ(笑)。

しかも、ザ・ドリフターズの唄ではないが、湯気が天井からポタリと背中に...頭に...肩に...腕に...って、ちょっとポタポタし過ぎなんですけど。

熱めのお湯だと聞いていたのだが、思ったほどではない。僕にとってはちょうどいい湯加減だ。薄い茶褐色を帯びた湯が全身を包み込むと、徐々に肌がつるつるしてくるのがわかる。肩まで浸かったり、上げたりを繰り返すこと数度。徐々に身体の芯が暖まっていく。

男湯と女湯を遮るのは、厚めの磨りガラスのみ。天井は筒抜けだ。女湯からは、婆さん二人の陽気で他愛のない会話が響き渡る。

一方の男湯は寡黙なもので、入れ替わりで客が入ってくるのだが、僕以外はみんな、既に還暦を迎えてから結構経っていそうな人ばかりだ。

シャワーのない洗い場で苦戦しながら、全身を洗い流す。

最後に入ってきたオッサンは、どうやら先客と近所の知り合いらしい。土日は作業(仕事)を休んで雪かきに追われたこと、屋根雪は危険だったので下ろさなかったことなどを、もう一人のオッサンとともにああだこうだと談笑している。湯船から上がると、僕の隣に座っていたオッサンから突然話しかけられる。
「あのデッタダトヨタの車、オメのダガ?(あの大きいトヨタの車、お前のか?)」
「いや、さっき上がった父さんのヤツでネガ?」
「あ、んだが...。」

その後オッサンたちは車の会話から外れ、政治の話やらいろんな話に花を咲かせている。
僕はニヤニヤしながら、その会話に聞き耳を立てる。
何の脈絡のない会話。でも、こういうところにある温泉は、見ず知らずの人たちとのコミュニケーションを当たり前のように成立させてしまう不思議な作用をもたらす。

湯浴みを終え、脱衣所へ。身体が熱を帯びてポカポカしている。湯冷めに注意しなければならない。しかし、思った以上に早く汗が引いていった。かといって身体が冷えているわけではない。

ソファには、母が腰掛けていた。
「あ、ゴメン。待った?」
「いや。2、3分かな。」
手にはジャガイモの袋が2つ。
「これ?一つ100円だって。」
嬉々としながら車に乗り込む母。

弘前市内にはこんな隠れた名湯がたくさんある。

新岡温泉

施設の概要
住所:青森県弘前市大字新岡字萩流161-12
電話:0172-82-4521
FAX:0172-82-2999
営業時間:日帰入浴6:00?21:00
駐車場:15 台
入浴料金:大人200円

温泉の効能
リウマチ性疾患、運動器障害、卵巣機能不全症、更年期障害、月経障害、やけど、切り傷、慢性消化器病、疲労回復

源泉名
新岡温泉

主泉質/成分
ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉

泉温
源泉47.3℃  温度43?44℃

2010年2月 3日

その後のチョコ

さて。散々皆様にご心配をお掛けしているチョコの件。ここ最近の様子は、悪い中にも極めて良好、といっていいかもしれない。危機的状況からは、幾分抜け出したような気配だ。

ついこの間まで、日に日に弱っていく姿を目の当たりにしていたので、Xデーは近いと覚悟を決めていたつもりだったが、昨日出張から帰宅し、チョコを見てその考えを撤回。

足は動かないし寝返りも打てない、勿論歩くことも走ることも出来なくなってしまったチョコだったが、こんなに元気になるの?というぐらい元気だった。イヤ、元気だったというのではなく、表情に落ち着きを取り戻していたのだ。

「余命一週間」の宣告から既に12日目を迎え、どうやら自分の身体がどういう状況なのかをチョコ自身も理解しつつあるらしく、震えや無駄吠えなどが減った。代わりに、1週間一度も見ることのなかった「あくび」をするようになった。考えてみると「余命一週間です」と直接いわれたわけではないので、実際のところはどうなのかわからない。ただ、獣医師からいわれたことは、「良くなることを考えずに、悪くならないことを考えるように」ということだった。

首から下はほとんど自由が利かず、現在は前脚すら立たないような状態(感覚はある模様)で、ごろごろ寝てばかりいるらしい(こればかりは仕方ないですけどね)。
しかし、表情は至って普通。しかも、一時的に急激的ではあったが、体重も減ったので、かなりスリムになったようにも見受けられる。

いわゆる「シモの世話」は我々がしなければならない。
尿はカテーテルを挿入しているので勝手に排出される。一時期は真っ赤だった尿も、昨日出張から帰宅すると更に透明度を増しており、腎不全などの心配は今のところなさそうな感じだ。
僕の出張中に、妻と母がチョコのおしりを洗い流してあげたようで、その時は便に血が混じっていたらしいが。

食欲も至って旺盛。
ハナとモモが食事を始めると、チョコも声にならない声を上げて「エサを喰わせろ」と猛アピールしてくる。我々が食卓についた時も同様。
薬の服用も、錠剤をすり鉢で潰し、エサに混ぜて食べさせたところ、何の違和感もなくパクパクと食べるようになった。
ハナとモモも空気を察知したのか、執拗にエサや散歩をねだることがなくなった。時折チョコのそばに顔を近づけてクンクンと匂いを嗅ぐことがあるが、何か悪さをするということもなくなった。

夜中にクンクンと鳴く数も、ぐんと減った。おかげで、比較的睡眠時間を確保できるようになった。強いていえば2時頃に喉が渇いたのか鳴き始めるぐらいで、あとはほとんど眠りについているような状態だ。

正直言って、僕たちもかなり気が滅入っていたけれど、こうなってしまった以上は、なるようにしかならないんだし、あとは時流に任せるしかない、といった雰囲気になっている。ただ、決して悲観的ではなく、むしろ楽観的。それがチョコにも伝わったのかも知れない。

ということで、チョコも我々も他の犬たちも、大分落ち着きを取り戻してきました。お騒がせして申し訳ございません。