2013年1月11日

2020年、東京五輪の招致活動を見聞きして思ったこと

猪瀬都知事ロンドンでアピール 海外記者から好印象
(スポニチアネックス 1月11日(金)7時1分配信)

20年夏季五輪の開催を目指す東京の招致委員会は10日、国際プロモーション解禁後、初の海外メディア向け会見をロンドン市内で開いた。招致委会長を務める東京都の猪瀬直樹知事は「世界中の観客や選手にユニークで忘れられない経験を与えられる」とアピールした。
ロンドン市内の中心部の五つ星ホテルで行われた会見には、日本のメディアを含め63社、105人が出席。猪瀬知事は「世界で最も安全で先進的な大都市の中心で開催されるダイナミックな祭典になる」と東京での開催意義を説明した。海外メディアから東京電力福島第1原発事故の影響を問われると「現在の東京の放射線量はロンドンと変わらない」と強調。領土問題をきっかけとする日中関係については「両国が平和的に解決する方向に向かうと確信している」と答えた。
海外メディアにも好評で、AP通信で国際オリンピック委員会(IOC)を担当するスティーブ・ウィルソン記者は、猪瀬知事の印象を「非常にプロフェッショナルだった。はぐらかすことなく全ての質問に的確に回答した」と評価。英紙などで多くの五輪取材に携わった歴史家のデービッド・ミラー氏も「東京の計画は非常に素晴らしい。計画が良ければ勝つわけではないが、魅力的だ」と話した。


東京でのオリンピック開催に向けた招致運動がいよいよ始まった。2016年の開催をリオデジャネイロに持って行かれた東京としては、石原前都知事の「遺言」を何としても形にしたい、という思惑があることだろう。

今回立候補を表明しているのはスペインのマドリードとトルコのイスタンブール、そして東京であるが、最終的にはイスタンブールと東京の争いになるのではないか、と目されているようだ。

その一方で、記事にもあるように、海外メディアからからは福島原発の影響を不安視する声もあがっていたが、それに対して猪瀬都知事は「現在の東京の放射線量はロンドンと変わらない」と、まるで福島原発事故が他人事であるかのようにさらりと述べていた。

僕はこの模様をテレビで見ていたのだが、この発言を聞いたときに、何だか違和感というか、不快感というか、嫌悪感すら覚えた。

元々東京という都市は、地方出身者が多いということで知られている。4年前の誘致の際は、そもそも対外的な招致活動ばかりが行われていて、国内向けのプレゼンやPRはあまりなかったように思われる。関係者の中には、東京で開催するのだから支持されて当然、といった奢り高ぶりがあったのかも知れない。そのことが住民感覚とかけ離れていて、今ひとつ支持率の向上に繋がらなかったのではないかと勝手に思っている。

昨年のロンドン五輪での日本勢の活躍を目の当たりにし、前回よりは開催支持率も多少は上向きになったようだが、それでもなお、他の都市よりまだ低いらしく、このことが足かせの一つになっているようだ。

地方出身者の多い東京、とりわけ東北地方の出身者が手放しで五輪開催を支持しているかといわれると、果たしてどうなのだろうか。
東京でのオリンピック開催の支持率が低い理由は、実はここなのかな、とか思ったり。

ここで、1月10日付けの河北新報の社説を紹介したい。

東京五輪招致/被災地と夢を共有できるか
2013年01月10日木曜日 河北新報

2020年夏季五輪・パラリンピックの東京招致を目指し都などが組織する招致委員会が、大会の詳細な計画をまとめた「立候補ファイル」を国際オリンピック委員会(IOC)に提出した。
9月にブエノスアイレスで開かれるIOC総会まで、イスタンブール(トルコ)、マドリードとの開催都市レースが続く。
「震災を経験したわが国は、国民がひとつになれる夢を必要としている」
立候補ファイルの巻頭に記された猪瀬直樹東京都知事の一文だ。復興した日本を示すことが、世界から寄せられた支援、善意への返礼となるとの考えだ。
昨年提出した「申請ファイル」より記述は減ったが、東京開催の意義付けとして「震災復興」が大きな重みを持つことは変わらない。
安倍晋三首相も「復興を示す機会となる」として、政府のバックアップを約束した。20年夏季五輪の東京開催を国民全体の目標とする上で、「復興五輪」という看板は必要だ。
聖火リレーが東北を縦断する。男女サッカーの1次リーグが宮城スタジアム(宮城県利府町)で開催されることも盛り込まれた。開会式に先立って、熱戦の舞台となる日程だ。
被災地にとって、「2020年」という具体的将来に思いをはせる夢がもたらされることは、素直に喜ぶべきことだ。震災の風化に被災地が危機感を募らせつつある時期に、心強いメッセージともいえる。
立候補ファイルのスローガンは「ディスカバー トゥモロー-未来(あした)をつかみ取る」。国際的な先進都市・東京の実力を全て大会につぎ込むとの意気込みだ。
猪瀬知事はきょうロンドンで海外メディアと会見。今後、活動の焦点は海外への働き掛けに移っていくが、夢を国民共通のものとするためには、国内に向けた一層のアピールもまだまだ大切だ。
東京はリオデジャネイロに敗れた16年大会誘致の際に、地元の開催支持率で後れを取った。立候補ファイルは都民の3人に2人が開催を支持していると記述するが、「オールジャパン」と位置付けるには広がりを欠いている。
被災地復興に向け、都は積極的な職員派遣やがれき処理により大きく貢献してきた。一方で、福島原発事故への首都圏住民の不安は風評被害という形でわだかまり、目標を共有する障害として残る。解消は急務だ。
昨年末、仙台での招致イベントに仙台市幹部が出席しなかったことをめぐり、猪瀬知事が声を荒らげる一幕があった。
行き違いは仕方ない。だが仙台市側から参加を申し出るのが当然とも受け取れる発言が本音だとすれば、同じ夢を追うことは難しい。
復興五輪が、被災地を勇気づけることは間違いない。誘致活動が国内の理解と共感を広げるためには、被災地に寄り添い、日本全体と手を携える首都・東京の姿勢が鍵を握っている。


華やかな五輪招致の陰で、依然として進まない震災復興、そして先の見えない原発事故への対応...。
五輪の招致と震災復興を同じ土俵の上で語るのは、実は根本から間違っているのかも知れない。
多分こう思っているのは僕だけではないはずだ。五輪の前にやらなければならない課題はたくさんあるのではないか。遅々として進んでいない震災復興の道筋を付けるべきなのではないか...。

猪瀬知事「震災を経験したわが国は、国民がひとつになれる夢を必要としている」
安倍首相「復興を示す機会となる」

お飾りだけの美辞麗句。東京至上主義、といえば語弊があるかも知れないが、東京と地方との地域間格差を強く感じずにはいられない五輪招致。

東京でのオリンピック開催による経済効果は計り知れないものがあるだろう。
景気の底上げや活性化にも繋がるかも知れないし、外貨の獲得により経済成長が回復するかも知れない。
しかしそれは、まずは「東京」での話であって、その副次的な効果が地方にどれだけ波及するか、といえば、懐疑的にならざるを得ないと思うのは僕だけだろうか。
五輪の聖火が東北を縦断しようとも、サッカーの一次予選が開会式前の宮城で行われたとしても、その効果が極めて限定的なことは、聖火の火を見るより明らかだ。

それでも9月には、猪瀬都知事が鼻穴をおっ広げ、どや顔で息巻く姿が見られるかも知れない...。

...なんてことを思った1月11日。22か月目の月命日。

合掌

2012年11月16日

政治とプロレス


政治の話は、それぞれ政治思想が異なることもあって、極力避けようと思っていたのだが、さすがに今回はちょっと我慢できなかった。突如やってきた衆議院の解散劇はただただ呆れるばかりというか、まさに国民不在の茶番だといっても過言ではないだろう。 野田首相が「近いうちに」と発言したことに端を発した今回の選挙。解散風が吹き始めたとマスコミが騒ぎ始めた途端、まさかの党首討論での解散ぶち上げ。マスコミ各社が笑いをかみ殺しながらその模様を伝えていたのが見てわかり、劇場型政治もいよいよここまで来たか、と思う一方で、野田首相と自民党の安倍総裁とのやりとりはどこかギクシャクしていて、お互い初めて対戦する相手と、なかなか組めずにいます、みたいな感じだった。 解散につきものなのが万歳三唱。あの意図するところは諸説あるが、こういうご時世に万歳なんぞしているなんて、何とまぁおめでたいヤツだと思うし、断片的に捉えると、「万歳」ではなく「お手上げ」のようにも見える。まぁいずれにせよ、どれぐらいの人たちがまた本会議場に戻って来るのかはわからないが、今回は大幅な入れ替えがありそうな気がしますぞ、私は。 ところで今回の衆議院解散、争点は一体何なのだろうか。本来であればいち早く着手しなければならないはずの震災復興は、遅々として進んでいない感があるし、TPPへの参加が争点になるのだろうか。それとも、原発を巡る問題?いや、消費税改革か?待てよ、国交問題だって全然解決の糸口が見えていないし、そもそも国会の定数是正の問題だってある(その場しのぎの0増5減なんて、何の意味もなさないぞ)...。 何とか党の暴走老人は「旧体制 vs 第三極」みたいにぶちかまし、それに乗っかって世論を焚きつけようと報道しているバカなマスコミもいるようだが、ハッキリ言ってそんなことはどうでもいい。そういう政治に今まで国民は散々翻弄されてきたし、離散集合を繰り返してもなお呉越同舟を堪え忍ぶそのスタンスが僕には理解できない。結局のところ皆さんは、何をしたいんですか?って話(で、それでも皆さんが一致団結するところは結局のところ、反民主?反自民?それとも...?)。 いずれにせよこの3年半の間で、それぞれの党や議員が公約として掲げてきたことやマニフェストが、どれだけ達成されたか、あるいは目標に近づいたか、候補者は自らの口でしっかりと語るべきだと思う。それこそが、「国民に信を問う」ということではないだろうか。 政治はよく、プロレスと一緒と揶揄される(いや、そんなこと言ったらプロレスに失礼か)。 メジャーと呼ばれる大きな団体からインディーと呼ばれる小さな団体まで、プロレスの組織はバラバラ。 メジャーの団体から独立して新しく小さな団体を立ち上げる選手もいれば、フリーの立場でそういった団体を渡り歩く選手も。かと思えば団体がダメになってまた古巣に戻ってくる選手がいるし、同じ団体の中でも勧善懲悪の人気レスラーが突如悪役(ヒール)に転向することだってしばしば。 こうなるとホント、政治の世界を見ているみたいだが、そのプロレスラーがアントニオ猪木を筆頭にこぞって政界進出するのだから、おかしなものだ。 昭和プロレス全盛の頃、新日本プロレスのアントニオ猪木の好敵手として活躍したアンドレ・ザ・ジャイアント(1946 - 1993)。 どうでもいい小ネタだがそのアンドレ、弘前市中野にある某居酒屋に、弘前への興行の際に来店したらしく、生ビールを大ジョッキで30杯以上平らげた、ということをプロレス好きの店主が店に張り紙していたことがある(ちなみにその居酒屋は今も存在してます)。 新日本プロレスの実況を務めていた古舘伊知郎は「巨大なる人間山脈」「一人民族大移動」などと好き勝手なニックネームを付けていたが、一目で誰とわかる彼が、マスクを被って試合に臨んだことがある。 新日本プロレスをかき回す集団として、将軍KYワカマツ率いる「マシン軍団」というヒール軍団が存在していたのだが、アンドレはその一員として突如登場、「ジャイアント・マシン」という名でリングに上がったのだ。 で、僕が何を言いたいかというと、結局のところマスクを被ろうが何をしようが、中身は一緒だということだ。 解散が決まった途端に与党である民主党からの離党者が続出したというのも笑える話。しかもあろうことか自民党への鞍替えをぶちまけた議員もいた。自らの選挙のためとしか思えぬ行動、慌てふためいてしっぽを巻いて離党していく姿を見て、国民が手を叩いて喜ぶ、とでも思っているのだろうか。そんなに自分の政策と合わないのなら、もっと前から離党しろよ、と思ってしまう。まあ、そんな輩に政策なんてあってないようなものなのだろうけど、要するに、勝ち馬に乗りたいだけなのだろう。 さて、衆議院の任期は4年間である。ここ20年間で任期満了に伴う改選が何度あったかというと... お見込みの通り、0回。 任期途中で全て解散総選挙を行っているのが実情だ。 聞いたところでは、総選挙一回にかかる費用は600億とも700億ともいわれている。もちろんこれは全て税金で賄われる。 だからどうしたといえばそれまでだが、たった4年の任期を全うできないような議員や、口先だけの公約や信念しか持ち合わせないような輩を選ぶ我々にも、一定の責任があるということは肝に銘じなければならないのかも知れない。 もっとも、議員になりたいという人は選挙に出ればいいんだし、国民はそれに投票という形で応じればいいだけの話なのだ。 でも...顔だけ口だけパフォーマンスだけの政治は、ホントもう勘弁して。

2012年7月 2日

烏合の衆


烏合の衆(うごう・の・しゅう)
規律も統一もなく寄り集まった群衆。

大きな独り言。
まぁ、何のことかは言わずもがなではありますが、何をもって筋を通したと判断すれば良いのか、ますますわからなくなってきました。

くっついては離れ、くっついてはまた離れを何度も何度も繰り返し、そのたびに選挙、選挙、選挙...。

今、政治が本当にやらなければならないことって、何でしょうね。民意を反映させるには投票で...といいますが、こんなに民意の読めない国政も珍しい。というかこれでは、「結局誰を選んでも一緒」ということになって、ますます国民の政治への関心が薄れるのでは?

誰も政治にサプライズなんて求めてません。誰も政治にパフォーマンスなんて望んでません。誰も劇場型政治に期待なんてしていないんです。
党利党略だけで担がれた政治音痴な芸能人もスポーツ選手も、本当にいらない。

「国民のため」なんてほらほら、歯が浮いてますよ。口の中で舌が3枚も4枚も回ってますよ。所詮口先だけだって、みんな知っているんです。結局は政党助成金や選挙を見据えた数合わせの論理だけのために、雲集霧散の繰り返し。

前にもぼやいたことがありますが、これって一時のプロレスとまるで一緒。
悪役がベビーフェイスになったと思ったら、人気レスラーが急にヒールに転向したり。かと思えば団体から脱退して他の団体に移籍してみたり、新しい団体を立ち上げて、結局ダメになってまた元の鞘に戻ったり。
その繰り返しを続けたプロレスは今、どうなってますか?かつての勢いを今でも持続してますか?

...まぁ、こんなので例えられるプロレスの方が迷惑千万かも知れませんね。同じ次元で論ずるな!ってね。

いずれにせよ、国民重視とはいいながら、結局その先にある選挙を見据えての行動だって、みんな気づいてるよ!

結局のところ、あの屋根の下にいる人たちは、みんな烏合の衆だってことかな。

2011年8月29日

野田氏、消去法で民主党代表に。

菅直人首相の後継を決める民主党代表選は29日午後、両院議員総会での党所属国会議員による消去法の結果、野田佳彦財務相(54)が代表に選出された。

5候補の乱立という史上稀にみる代表選は、「誰に投票するか決めかねている。」という多くの議員の声を慮り、代表戦では初めて消去法による選出が行われた。第一回目の選出では、下馬評通り海江田万里経済産業相(62)がトップとなったが、過半数の同意を得られず、「ドジョウのように頑張りたい」と草の根運動を広げたナマズ顔の野田氏が、似た顔を持つ議員の同情票を集め、前原誠司前外相(49)氏を消去に追い込み、決選投票に残った。馬と鹿の戦いは避けたいという思惑から、馬淵澄夫前国土交通相(51)と鹿野道彦農相(49)は早々に消去法の憂き目に遭った。

決選投票では、当選した暁に号泣する海江田氏の姿は見たくないという思惑が各議員に渦巻き、海江田氏を消去しようという動きが大きく作用、結果的に野田氏が生き延びた。
野田氏は30日の衆院本会議で第95代、62人目の首相に指名される見込みだが、消去法の動向によっては野党党首にも目があるかも知れないと、水面下での駆け引きがにわかに始まっている。

一方、衆院解散が早々にあるかも知れないという噂が立ちはじめ、一年生議員を中心にエステや美容整形外科に駆け込む議員が続出。

「政策論争なら勝ち目はないが、消去法ならあのイボ顔に勝てるかも知れない。」と色めき立つ一年生議員ではあるが、仮に衆院解散となっても、選挙は消去法ではなく通常通り候補者を選出する方法で行われる。

2011年2月 7日

統一地方選の「前哨戦」?

果たしてこれは、今まで絵に描いた餅となっていた「地域主権」の始まりなのだろうか。それとも...。

2月6日午後8時過ぎ。テレビには「愛知知事選・大村、名古屋市長選・河村当選確実。名古屋市議会は解散。」の文字が一斉に躍る。開票開始から3分も経たずしての出来事だった。

予想どおりといえば、予想どおりの結果でもあった。
愛知県知事選と名古屋市長選、名古屋市議会リコールの住民投票のトリプル投票は、結果的に市議会のリコールと自らの辞職という「差し違え」を演じた河村前市長の思惑どおりの結果となった、といっていいだろう。

僕は愛知県民でもなければ名古屋市に何の縁もゆかりもない。が、果たしてあの手法がどこまで通用するのか、これからが見物だと思う。

これを皮切りに、全国各地で「民主主義・地方分権」を叫ぶ声が飛び火し...といいたいところだが、ちょっと待った。
怖いのは、河村市長が主導した議会解散のリコール運動が、今後他の地域にも及ばないかということだ。

今回市長に当選した河村氏、知事に当選した大村氏はいずれも国会議員経験者である。
本来であれば国とのパイプ役も期待するところであるが、逆に元の所属政党からは双方とも三行半を突きつけられた格好となっている。果たして今後、国とどのような関係を築き上げていくのかが、まず注目である。

今回の選挙は、本来であればよほどのことがない限り解散とはならない市議会に対し、市長自らが自分の公約に反対だ(議決されない)という理由だけで議会解散のリコール運動を煽動したことが、事実上の議決権行使なのではないかと訝る声も少なからずあることを鑑みても、「民主主義」の名を借りた単なる市長対議会の政争に、市民が巻き込まれたと見ることもできる。

既成政党を批判(否定)し、自らが代表を務める政党を立ち上げた河村市長。大阪府の橋下知事や、今回知事選に当選した大村氏がこれを後押しする可能性はかなり高い。

確かに既成政党に対する国民の不信が高まっていることは事実だ。だからといって、その受け皿となるべく自身の権力を振りかざし、片やパフォーマンス的手法で民衆の同意を得るという手法がどこまで通用するか。

人気取りとパフォーマンスだけの政治に嫌気がさしているのは、僕だけではないはずだ。

河村市長は記者会見で「名古屋を民主主義の国、日本をつくるスタートにしたい。名古屋、愛知で起きた減税の勢力を、大村さんとともに全国に広げていきたい。」と名言していた。
既に自ら立ち上げた政党から、市議会の過半数を超える候補者を送り込む勢いのようだ。つまり、次の思惑どおりに事が運べば、名古屋市議会は、市へのチェック機能としての役割を果たすのではなく、市長の諮問機関的な役割を果たすというわけだ。これ、一歩間違えると、市長は専制君主になってしまうわけで...。

そういう意味では名古屋市民が今後、どういう投票行動に出るのかが非常に注目される。

今回の結果を踏まえ、大阪府の橋下知事は、府と大阪市の合併構想に更に躍起になるだろうし、東京都知事選への影響も未知数。
また、名古屋に端を発したこの潮流が全国で巻き起こった時、果たしてこれまでの議会が執行部に対するチェック機能を果たすことができるのか。下手をすれば首長の独裁政治が始まると思うと、末恐ろしらすら覚える。

もっとも今回の選挙は、物事一つ決められない国会や地方主権を進められない国に反発した結果としてのムーブメントなんだろうけれど、4月の統一選まで紆余曲折がありそうな予感もします。ハイ。

2011年2月 5日

TPPに関する私見

TPPを巡る綱引きが、政府や各省庁内部で繰り広げられている。
※TPPとは「環太平洋戦略的経済連携協定」のことです。最近CMで流れている低燃費の親戚ではありません。詳しくはご自身で調べて下さい。

各省庁に言わせれば、それぞれが所管する組織や関係者団体、生産者などへの影響を第一に考えるのは当然である一方、それぞれの思惑が働いた結果、国内の足並みが全く揃っていない。

TPPに頑なに反対する人たち、特に農林水産業に従事している人にとっては、国内市場を脅かされることへの懸念等から反対しているものと思量される。
ただ、例えば日本の機械や工業製品が世界各国で重宝されるのと一緒で、仮に日本の農産物の輸出が自由化されれば、間違いなく重宝されることだろう。

一つ怖いのは、淡水で繁殖した外来魚のように、輸入農産物の生命力が国内の農産物を脅かすようになったり、農産物には見た目だけでは産地が判別できないため、日本産と偽った農産物が国内外で出回り、信頼を落とすようなことにならないかということ。
また、鳥インフルエンザの拡大が懸念されている昨今、TPPの議論の前に、まずは鳥インフルエンザの封じ込めをどうするか、ということがまずは最大の課題。あ、でも同じ課題を持つ近隣各国と連携しながら封じ込める、という方法もアリか...。

機械や工業製品と農産物が異なるのは、機械や工業製品は技術を盗むことで模倣あるいはそれ以上のものを作ることができるが、農産物の場合、いくら技術を盗んでも、その地域の土までも変えることはできない。

裏を返せばそれは、それぞれがその風土に合った農産物を育てているわけであって、必ずしも日本産の農産物が海外で重宝されるかと言えば怪しいところもある。ただ確実に言えることは、日本の農産物は屈指の「安全・安心」という信頼が付加価値となるはずだ。

確かに海外から安価な農産物や工業製品が入ってきた場合、消費者の動向がそちらに動く可能性は否定できない。ただ、今の日本人の指向を考えれば、いずれ国産品に戻ってくると思われるし(最近ではペットフードですら「国産」の文字が躍っているぐらいだから)、海外に市場が広がることを考えれば、それほど損失は大きくないのではないだろうか。

正直僕は、日本もTPPに参加して「攻め」の姿勢を貫けばいいと思うのだけれど、当事者に言わせれば「そんなの他人事だ!」といって怒られそう。ただ、日本の技術力を持ってすれば、海外と対等以上に渡り合えると思うんだけどな。


2011年2月 4日

(財)日本相撲協会と公益法人化

ここに来て、財団法人日本相撲協会が再び大きく揺れている。暴行、大麻、野球賭博に続き、これまでも噂されてきた八百長疑惑で決定的な証拠が出たため、春場所の開催にまで影響を及ぼしそうな勢いだ。

ところで、日本相撲協会は「公益財団法人」への移行を目指している。
制度改正により、平成20年11月末時点で存立していた財団法人・社団法人は、「特例民法法人」という扱いになり、平成25年11月末までに「公益法人」あるいは「一般法人」のいずれかへの移行手続をしなければならず、もしこの手続が為されなかった場合は、法人は自動的に解散、ということになる。財団法人である日本相撲協会は、税制優遇等の恩恵を受けることができる「公益財団法人」を目指している。仮に「一般財団法人」への移行となった場合は、ある程度自由な活動が認められる一方、収益や基金の運用利息などが課税対象となる(つまり一般企業とあまり変わらない)。

公益法人への移行に向けては、内閣府に設置されている「公益認定等委員会」に諮問され、委員会は申請内容を審議し、定款の変更の案が公益法人法並びにこれらに基づく命令の規定に適合しており、かつ公益法人認定法第5号各号に掲げる基準に適合していること、認定法第6条の欠格事由に該当しないこと、そして旧主務官庁の監督上の命令に違反していないことが認められれば、認定基準に適合している旨の答申を行い、それを踏まえ、行政庁が申請法人についての認定処分を行うものとなっている(ちなみにこの組織のトップは蓮舫大臣)。

どんな認定基準があるかというと、
一  公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。
二  公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
三  その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。
四  その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。
五  投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
...
...などなど、全部で18項目が法律には列挙されている。

そこで一つ大きな鍵を握るのが、旧主務官庁たる文科省ということになる。文科省は日本相撲協会に対し、財団法人としての資格取消もちらつかせているが、現在の監督官庁という立場にあることから、大なたを振りかざす権限を有している。つまり文科省が監督上の命令を発し、日本相撲協会がそれに従わなければ、その時点で公益財団法人への道は、事実上閉ざされるということになるのだ。
日本相撲協会に対しては、文科省も監督官庁としてこれまで立入検査等を行ってきているはずなのだが、さすがに八百長までは監督の範疇ではなかった、ということだろうか。

しかし笑えたのは、ネット上での意識調査で、今回の八百長疑惑がどれほどの驚きを与えたかというお題があったのだが、半数以上の人が「全く驚かない」と回答していたことだった。裏を返せば、何を今更...といったことなのだろう。

放駒理事長は八百長メール疑惑が発覚した当初、「これまでなかったことであり...」と苦々しい表情を浮かべながら発言をしていたが、これだって見ていても、確かに何だか興醒めするような内容だった。むしろ「すいません、実はやっていました!」と認めた方がスッキリしたのだろうか。

今回は一部の人たちの関与が発覚したが、彼らの思いつきで八百長が始まったとも考えにくいところもあり、やはり古くから慣習的に行われていた、と見るのが当たり前のような気がする。
まぁそうなれば相撲そのものがいわゆる「ガチンコ勝負」ではなく、一部の取組については最初からシナリオのある出来レースだった、ということにもなりかねない。しかし、指南役とされている力士については事細かな取組指導をしていたようで、考えようによっては凄い脚本家のような気も...。

相撲の八百長そのものが何故悪いことなのか、と疑問を呈する声も少なくない。実際、7勝7敗で千秋楽に臨んだ力士が、既に勝ち越している力士を豪快に投げ倒し、なんでその相撲を今まで取れなかったんだろう、というシーンを見たことがある人もいるのではないだろうか。八百長がファンへの裏切りだ、と怒りの声を上げる人もいるが、問題はそこに金銭授受があったということなのだろう。

以前、八百長を告発した週刊誌を相手取り訴訟を起こし、多額の賠償金を受け取っていた日本相撲協会。その賠償金の一部が、八百長相撲の原資になっていたのかも知れないと思えば、笑うに笑えない。

今回名前の挙がった力士の中で少なくとも野球賭博で謹慎処分を受けた者については、調査が明らかになった時点で、より厳罰に処されるべきだろう。
「日本相撲協会」がもはや外人力士を多数抱える「世界相撲協会」となっている昨今、財団法人であり続け、国の恩恵を受けることは、もはや時代にそぐわないということだろうか。

この際、ここは膿を出し切った後に、思い切って協会自ら財団法人を返上するぐらいの気概をもった方がよいのかも知れない。相撲道で飯を食ってきた人たちだけで物事を考えたところで、それ以上の話が出るはずがない。いくら外部委員を入れても最後にはその意見に耳を貸さないのだから、もはや手の打ちようがない。

なので、このあたりで神事としての大相撲を返上し、女人禁制解除となった土俵上では、両国が生んだ女性相撲アイドル「RGK48」のステージに始まり(というか女人禁制といいながら、委託業者の清掃のオバちゃんが土俵の上を箒で掃いていたという話を聞いたことがあるんだけど)、取組前には、出場力士によるボール投げならぬ塩の入った「厄除け袋」投げ。
これまで福祉相撲や巡業で行っていた初っ切り、相撲甚句ももちろん披露し、毎日が「エンターテイメント」化。取組のマンネリ化を解消するため、相部屋対決も当たり前に行う他、怪我を減らすために15日間のうち幕下以下の力士よりちょっと多い9日程度の星取で優勝を決定する こととして、取組のない各国の力士はそれぞれ母国料理を振る舞う茶屋を開設。
大相撲春場所ではなく、大相撲春のショー!それはそれで楽しそうだけど。...って、不謹慎ですかね。

あ...公益法人化の話と全然ずれちゃいましたね。すいません。

2010年8月27日

民主党党首選に思う

折角の週末なんだから何か楽しくなるような話題を提供したいと思ったんだけど、何かもの凄くつまらない記事になってしまった。先に謝っておきます。ごめん。

民主党の党首選に小沢一郎氏が出馬する意向を固め、菅首相との激しいつばぜり合いを始めている。菅vs小沢の「権力闘争」だそうな...。

おいおい、ちょっと待ってくれよ。国内に目を向けると、景気への不安、金融情勢の流動化、対米、対アジア政策など、今すぐにでもやらなければならない問題は山積しているのに、何が党首選なの?と敢えて苦言を呈したい。ロクに金融政策にも取り組めないくせに何が党首選だ!本当に日本はおめでたい国になったものだ。

それにしても、民主党自体が依然として小沢氏中心に回っているという事実(そもそも、小沢派、反小沢派という言い方をするが、菅派、反菅派とは言わない)。これから脱却できない限りは、国民が期待していたような政権運営を民主党が担うことは無理だろう。裏を返せば約3か月前、政治と金を巡る疑惑が小沢氏に突きつけられた時に、幹事長職を辞する程度で矛先を収め、誰一人として引導を渡すことができなかったということが、民主党にとって手痛い誤算だった、といってもよいだろう。

かといって「脱小沢」を掲げて登場した菅一族を見ると、権力を得た途端、暴君よろしく他人の言うことに耳を傾けることなく、自分の信念(いや、思いつき)だけでここまでやって来た、というのが実情ではないだろうか。権力の使い方を知らない人間に権力を持たせると、恐ろしいことになるということを、十分叩き込まれたこの3か月。

まあそれはともかく、今回、政治と金を巡る問題から陰に引っ込んだはずの小沢氏が、僅か3か月というインターバルをもって党首選に出てきたのは、勝算あっての事と思われるし、煮え湯を飲まされ続けてきたフラストレーションが一気に爆発したんだと考えられる。

ただ、どうなんだろう。
仮に小沢氏が党首選で勝利するとなると、それはすなわち、再び首相が交代するということになるわけで。
鳩山政権は、「長い目で見て欲しい」といいながら、僅か一年足らずで首相の座を負われた。正しくは、自爆しただけの話だが。

鳩山氏から首相の座を奪い取った菅氏も、短命政権で終えるのだろうか。

仮に小沢氏に党首交代となると、僅か1年で3人の首相交代である。自民党の短命政権を鋭く批判し続けた民主党の影はいずこへ。与党になった途端この有様。もはや与党慣れしていないとか、そういうレベルじゃない。もしものことになるようなら、自民党よりも酷いぞ。

しかし、仮に小沢氏が党首の座に上り詰めたとしても、自身の身の潔白を全く説明していない(というか、次から次へとネタがありすぎなんですけど)以上、長期政権は期待できないし、むしろ政局は流動化する可能性も孕んでいる(つまり衆議院の解散もありうるということ)。

一方、菅氏が党首の座を守り抜いたとしても、民主党はもはや一枚岩ではなく、結果次第では分裂も現実味を帯びてきそうな雰囲気だ。

いずれにしても、この党首選の後、政界再編も含め、政局が混迷に陥る予感。これでは景気回復だ何だと期待するだけ無駄なのかも。

しかし何が腹立たしいって、この期に及んで敵失を手をこまねいている野党の面々。すっかり民主党の主導権を握られ、まるで存在感がない。どこの党とは言わないが、「ドラマを見るより面白い」と、すっかり有権者と同じ視線で傍観者気取りの党首もいたようで...。あーあ、駄目だこりゃ。そして、この党首選を含め民主党のゴタゴタを面白可笑しく伝えるマスコミ連中。とりわけ新聞や週刊誌はこぞってこのネタに貪り付いている。もっと他に紙面を割く記事がないのか?

そんな状況を醒めた目で見ている国民。自民党だとダメだ、民主党なら何かやってくれそうだ。そんな期待感をもって投票し、今になって後悔している人は少なくないはずだ。自民党を完膚なきまで叩きつぶし、圧勝したあの衆院選の勢いはどこへやら。

何が問題かというと、こういう内輪もめで政治のブレが生じ、国民に不利益が生じていることが一番の問題じゃないのかな。

何かと言えばすぐ解散だ選挙だって話になるけど、その選挙の金って、元を辿れば一体誰が出してるんでしたっけ?

この際だから言わせて貰うけど、税金のバラマキやるぐらいなら、不利益が生じないように均等に減税してくれよ。高速道路だって、使う人はちゃんと使うんだから、無料化の検証なんていらないんだって。

ホント、いつからこの日本はこんな嫌気のさす国になったんだろう。

2010年6月25日

参院選・第一声の原稿(案)

今朝はW杯サッカー一色で、参院選の話題はすっかり消えてしまいました。私も4時頃から見ていましたが、久しぶりに安心感のある試合、というか日本ってこんなに強かったっけ?と思わせるような試合でした。まだ次があります。頑張って欲しいものです。
さて、そんな昨日は参院選の告示。ひょっとしたら、と淡い期待を寄せておりましたが、結局どこからもお呼びがかかりませんでしたので、熟慮を重ねた結果、今回の参議院選挙は出馬を見送ることにしました。第一声の原稿案まで作っていたのですが...。パクるなよ(笑)。

このたびの参議院選挙に無所属で立候補しました、     でございます。生まれ育った大好きなこの弘前で、皆様に第一声をお伝えすることを大変うれしく、誇りに思いますとともに、これからの長い戦いに向け、今一度自らを奮い立たせたところでございます。

さて皆様、日本は長い景気低迷からようやく立ち直りつつあるといわれております。しかし、どうですか。皆様の周りに景気回復を実感する声は聞こえておりますでしょうか。残念ながら私の周りでは、そういった声は一つも聞くことが出来ません。かつての自公政権も民主党政権も、景気回復に力を入れると声高に叫んできました。しかし、この青森県においては、この一年間の有効求人倍率が0.29倍で、この20年間で最低の水準まで落ち込んでいるのが現状です。つまり、景気回復どころか雇用の場すら確保されていないのが実態なのであります。

東北新幹線の全線開業がこの12月に迫る中、本県はいかにして他県からの観光客を呼び込まなければならないか、そのことにばかり気が回っています。確かに本県にとって東北新幹線全線開業は大きなビジネスチャンスであります。

しかし忘れてはなりません。新幹線は本県に人を運んでくるばかりではなく、本県から県外にも運ぶのです。新幹線の開業にうつつを抜かしている場合ではないのであります。

働く場のない青森県に、子供たちが未来を思い描くことはできるのでしょうか。このままだと、新幹線の開業が、若くて優秀な本県の人材をどんどん県外へと連れ去ってしまうという事態にもなりかねないのです。

まずは本県における雇用の場を確保し、人口の流出に歯止めをかける。そのためには、新たな産業の創出も必要になることでしょう。そこで私は、まず青森県の新たな産業創出と、雇用の場の確保に重点的に取り組みます。

さて、本県における自殺者の割合は全国でも非常に高いという悲しい実態があります。ご存じの方もおられるかも知れませんが、先進各国における日本の自殺率は、群を抜いております。各都道府県別に見ましても、残念ながら我が青森県は、秋田県に次ぐ高さとなっており、分析によると、その要因としまして、健康問題や経済事情といったことが挙げられております。

国や各都道府県を挙げて、自殺予防対策を講じておりますが、残念なことにそれでも自殺率の低下にはあまり歯止めがかかっていないのが実情であります。

私が今回取り組みたいのは、いわゆる自死遺族へのケアであります。突然家族や愛する人を失う悲しみは、簡単に言葉に出来るものではありません。遺族の方の中には、その後体調に変調を来したり、精神的に不安定になったり、残された家族の苦しみは一生続くのであります。

しかしながら、国家レベルで自死遺族をケアする体制は未だ整っていないのが実態であります。もちろん自殺予防は国を挙げて今後も継続していかなければなりません。しかしその一方で、自死遺族の精神的ケア、そして生活をサポートする体制づくりに、自死遺族の一人として、私は政治生命をかけて取り組んで参ります。

民主党政権による事業仕分けが話題となりました。
連日ワイドショーなどで報じられたこの政治的取組、いや政治ショー、「必殺仕分け人」と揶揄された人たちが一刀両断とばかりに詰め寄る様に、国民は万雷の拍手を送り続けました。
しかし実態は、仕分け人の言葉は単に提言レベルであり、実際蓋を開けてみると名を変え品を変え、事実上継続的に予算要求されている事業が数多くあるという実態をご存じの方はどれだけいることでしょう。
そんな事業仕分けからは、こんな名言も生まれました。

「二番じゃ駄目なんでしょうか?一番じゃなきゃ駄目ですか?」

今の日本の政治を顕著に表す言葉だと思います。自ら先頭に立って世界の陣頭指揮を執る、そういった気概が今の国会議員にはないのであります。
アメリカや他国の顔色ばかりを窺うような政治を行ってどうする。こういう思想を持つ政治家ばかりが国を司る限り、日本が再び世界の一翼を担うようなことはないでしょう。アジアでは韓国、中国やインドが急成長を遂げており、このままですと恐らく近い将来、日本を凌ぐ強国になることでしょう。

日本人としての誇りを取り戻したい。日本に生まれてよかったと、声高に叫びたい。そんな時、今の政治家に日本を任せておくことはできますか?私はそうは思わない!

そこで私は、国会を対象とした事業仕分けに取り組みたいと思います。無駄が多いと外郭団体や公益法人をバッサリと斬り捨てた政治家の皆さんに言いたい。無駄なのは、あなたたちの方ではないのか?と。

まずもって国会議員の定数と議員報酬の見直しを行います。
衆参合わせて定数が722もある国会議員。他国と比較すると、これは決して多い数字ではないそうです。しかし、ヤジばかり飛ばして質問にも立たないような数合わせだけの議員は不要です。

そこで、各議員の任期中の実績を公表するとともに、数値化しながらランキング形式で発表します。規定値に達しない議員がいた場合、その議員の報酬は大幅に削減します。また、各議員の報酬は年俸制とし、議員の働きぶりにより数値化した係数でもって報酬を算出し、報酬の削減を進めていく。
このような、誰から見てもわかりやすい制度設計を進めて参ります。

運営の正常化を図るため、いわゆる時間外・深夜国会や会期延長に伴う省庁職員の人件費、国会運営費などは、全て議員に請求することとします。

...ここで私、今回の参院選は非常に無駄だということに気づきました。なぜ参議院は半分ずつ議員改選が行われるのか。なぜ242も議席数が必要なのか。

「半分じゃ駄目なんでしょうか。242じゃなきゃ駄目ですか。」

ということで私は、この場を借りて参院選への立候補を取りやめることを宣言し、皆様方への第一声に代えたいと存じます。ご清聴ありがとうございました。
ちなみに明朝は朝4時過ぎに我が家を出発です。さすがに睡眠不足が心配になってきました。では皆さん、よい週末を。

2010年5月12日

それぞれの決断

昨日はサッカー日本代表の話題よりも、谷亮子が民主党から参院選に出馬することで話題持ちきりだった...ような気がする。

とはいえ、どちらも熱狂的な歓迎を持って迎えられた訳ではなく、どちらかといえば醒めた目で見られていた、と思われる。

サッカーの日本代表については、サプライズが古株でもあるGK川口の選出という点だけだったことに加え、これといった真新しい人材が選出されていたわけでもなく、妥当といえば概ね妥当な選出だった。それだけに相変わらず仏頂面で淡々と話す岡田監督が、ひょっとしたら代表監督について自分の名前ではなく他の人の名前を発表したりして、という淡い期待を寄せていたが、そんなことがあるはずもなく、「ベスト4」という雲を掴むような目標を譫言のように口にしていたのが印象的だった。

さてそんな中、突然民主党から参議院への出馬を表明した谷亮子。一体何があったのかは知らないが、あまりに唐突な出馬表明に驚いたのは僕だけではなかったはずだ。更に驚いたのは、仮に議員になった後も、ロンドン五輪での「金」を目指すという。つまり、現役続行しながら議員になりたい、という話なわけだ。

谷の言う「金」がメダルなのか紙幣なのかはわからないけれど、これについては当然賛否両論あるようだ。というか、圧倒的に否の方が多かったような気がする。

もっとも、谷だってそれ相応の覚悟をもって臨むのだろうし、それなりの意気込みを持って議員を目指すのだろう。ママと議員と現役選手。確かにやってみなければわからない。しかし、谷亮子に影武者がいるわけでもあるまいし、一つの身体で三役をこなす、ということのようだが、これではあまりに全てにおいて中途半端過ぎないか?というのが大方の見方であり、民主党内からも「議員をしながら現役続行なんて、参議院はそんな甘い世界ではない」と批判的な声があがっているらしい。

ところで、参院選を巡っては既に各政党から複数のスポーツ選手、タレントが候補者として名を連ねており、もはやこうなると党の政策なんて二の次の、単なる集票マシンとしての「顔」といった風潮は否めないだろう。いわば、客寄せパンダならぬ票集めパンダだ。いくら参政権があるとはいえ、これほど乱立されると、ちょっとうんざりしてくる。

三原じゅん子は、ヤンキー先生こと義家弘介参院議員とのタイマン、メンチ切りが見られるかも知れない。まぁ、同じ自民党なので、そんなことはないと思うけれど。池谷幸雄のことだから、本会議や委員会でバク転やって懲罰動議...なんてこともあり得る。堀内に中畑...そのうち衆参の超党派議員で、「国売虚人軍」が結成されるかも。とにかく、失笑に付すようなことが、ホントに起きてしまうかも知れないのだ、このままだと。

タレント候補、とりわけ比例区から出馬する候補は、おそらく選挙戦が始まると、苦戦を強いられている選挙区に足を運んでは候補者を応援する、というより応援演説を読まされる客寄せパンダに化けるだろうし、集票マシンにもなることだろう。政策論争など、知ったことではないといったところか。

昨日、一番嬉々としていたのは隣にいた小沢幹事長。今日になって東京地検から任意の事情聴取があるとは知ってか知らずか、この白羽の矢を見事射抜いた張本人は、これで選挙は安泰とばかりに柔和な表情を浮かべていた。

ところがこれで話は終わらず、今日になって高橋尚子にも民主党から出馬の打診があったことが明らかに。とはいえ彼女の場合、これまでも幾度となく出馬要請があったが、全て断りを入れるという徹底ぶり。
その理由が、「政治の勉強をした人が国民の代表になるべきですし、国民栄誉賞を頂いた立場でどこかの一政党の代表にはなれない。」と、これまたどこかの誰かさんに聞かせてあげたいような内容。
...あ、そういえばどこかの誰かさんは国民栄誉賞を貰ってなかったんだものなぁ。

昨日の時点で谷亮子は相当株を下げたと思っていたが、高橋の一件を知り、ますます谷亮子が何をしたいのかがわからなくなってきた。大分小沢幹事長に陶酔しているようにも見えたが、真偽のほどもわからない。嫁に振り回されっぱなしな旦那が可愛そう。ここは野球でも私生活でも、バットを振りまくって大暴れするしかないぞ。

しかし客観的に見る限りでは、タレント候補の擁立が有権者の投票行動に繋がるとは思えない。ここまで乱立されるとむしろ、逆効果ではないかという気もするが、皆さんはどういう判断を示すだろう。解散のない参議院の任期満了は7月25日。少なくともその前には選挙が行われる。いろんな意味でお寒い夏にならないことを祈ろう。