2004年6月 8日

父親の手記を読んで

長崎で起きた女児殺傷事件、被害者の父親が寄せた手記を読んだ。悲しくて切ないんだけど、何だか無性に空しくなった。

女子児童の担任教師は、教壇に立つことができず入院したという。他の児童たちはみんな一生懸命登校しているというのに。

こういう事件が起きると必ず議論になるのが、少年犯罪に対する刑罰と、社会構造の歪みやそれを作り上げた大人に対する責任論。
でも、どれもみんな当たり前の話ばかりをして、何一つ問題解決に繋がっていない。
「こういう事件が起きました。悲しい出来事です。」ニュースキャスターは口々に言う。でも...
「こういう事件が起きないためにはどうすればいいんでしょう」

誰も答えることができない。答えてもみんな一般論で、何の役にも立たないような内容ばかり。

結局、誰も的確な答えを持ち合わせていない。そして、こういう社会が悪い、という方向に持って行こうとする。じゃあその「悪い社会」を作ったのは誰だろう。そしてその人たちは、どんな善処策を講じたんだろう。僕自分も含めて...。

きっと世論は、また「社会が悪い。」と無理矢理結論づけようとするだろう。

恐らくこういう事件は、残念だけど今後も続くと思う。そしてそのたびに「社会が悪い」と堂堂巡りを繰り返すことだろう。何の解決にも繋がらない堂堂巡りを。

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