2005年11月18日

隣の席

水曜日。県内出張の帰路、八戸から青森まで函館行きの特急に乗り込みました。僕が乗り込んだのは自由席の禁煙車。それほど混雑していませんでしたが、新幹線からの乗り換え客が乗り込んで来た途端、座席が見る見る埋まっていきました。

程なく、見るからに頼りなさそうというか怪しげというか、足取りもおぼつかないようなジイさんが僕の隣に座りました。
ほのかに漂う酒の匂い。
(やっぱり飲んでいたか...。)
最近、どうもこういった感じのヒトと遭遇する機会が多いなぁ...(苦笑)。
何処まで行くのかわからないけれど、眠っていればいいか。

ふと隣の席に目を配ったその時、僕の目が点になりました。
何とこのジイさん、おもむろにタバコを口にし、今まさに火を付けようとしていたのです。

「ちょちょちょちょちょ...!!」
慌てて火を吹き消す僕。
ジイさんは、半分座った目で「何で消すの?」という表情を浮かべ、こっちを見ます。
「おジイさん、この車輌は禁煙席なんです。タバコ吸うなら、後ろの車輌!」
そういって後ろの車輌を指さします。するとジイさん、暫く考えたまま固まったあと、おもむろに僕に聞いてきたのです。
タバコは口に、ライターは手にしたまんま。

「この車輌、指定席?」
(はぁ?こいつ何聞いてるんだ?困ったジイさんだなぁ...)
「いや、指定じゃないけど、タバコ吸うなら、う・し・ろ!後ろの車輌は禁煙じゃないから!」
ちょっと強めに言うと、また暫く固まった後今度はおもむろに席を立ち上がり「すまんすまん」と手で合図をして、後ろの車輌に移動していきました。
(ああ、ビックリした)

僕の隣は空席になりました。

さてと少し眠るかな...と思ったら、何やら大きな荷物を抱えた輩が隣に。

「Excuse me,sir?」

「...........!!!!!!!!!!!!!」

ガ、ガイジンさんじゃないですか!うー...困ったなぁ。
ふと見ると、「横須賀−三沢」と記された乗車券を指さして何かを聞こうとしているみたい。
「MISAWA?」
あ、三沢に停車するかってことを聞きたかったのね。
「MISAWA?Ya.Next stop.」
蚊の鳴くような声で僕が答えると、「Thank you.」といって隣に座ったのです。

間違いなく米軍基地関係の人だろうな。
ふぅ...。参ったなぁ...話しかけてくるなよ(苦笑)。

程なく、八戸駅を発車。次の三沢までは15分足らず。
幸い(?)僕はiPod shuffleで耳を塞いでいましたので、話しかけられることもなく、気がつくとうたた寝状態に。

「ご乗車お疲れ様でした。間もなく三沢です。」
ハッと目が覚めました。隣の外人に「三沢」が聞こえただろうか?
ふと見ると、既に立ち上がり降車の準備をしていました。
僕と目が合った途端、再び流ちょうな英語で(そりゃそうだ)一言「Thank you.」。

「.........................。」

あろう事か私、頭が真っ白になって返す言葉が出ませんでした。「You're welcome.」も「Don't worry」もなーんにも出てきませんでした。
で、口をパクパク空気の足りなくなった魚のように何かを言いかけたまま、外人を見送ることしかできませんでした。
僕が口をパクパクさせてから電車が三沢駅に停まるまでの長いこと長いこと...。

車窓からホームを見ると、その外人の後ろには例のタバコのジイさんが、とぼとぼと...。
寂しかったなぁ何か無性に。こんなに英語忘れているとは思わなかったよ。結構ショックだった...。

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コメント(4)

そんな時は!!!!!
日本に居るんですから日本語で言えばいいんです。「なんも、なんも!」と!

わはは。
「なんも、なも。」「けね、けね。」
そういう応対の方法がありましたか(笑)。
で、そのガイジーンさんが「へばな。」なんて言ったら、どう対処したらいいのでしょう(笑)。

以前英語圏の人に
「ありがとう」と言われ
おもわず「ゆあえうぇうかむ」と言ってしまった。
とっさのこととはいえ返ってはずかしかったです。
回転の速い頭がほしいです。

咄嗟に言われると、言葉が出てこない時ってありますよね。これでも昔、英語に関してはかなり成績優秀だったんだけどなぁ(ただし中学英語までなので、あまり役に立たない文法とか、そんなヤツ)。

今は、極力海外の方のそばには近づかないようにしています。プリンスを除いて(笑)。

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