2006年3月 5日

青森・春のクロソイ祭り

釣行そのものは約4ヶ月振り、ロックフィッシュ狙いとなると約5ヶ月振り、今年初めての夜釣りに行って参りました。
天候は、予報では湿雪からみぞれとのことでしたが、釣り場に到着した23時頃は、まだ空には星が見え隠れしていました。ただし、南南西の強風が吹き荒れておりました...。

今回釣行に向かったのは、毎度のごとくほぼ毎週海を訪れているというT先生、T先生の実弟K君と、僕の3名。先週も同じ場所を訪れ、爆釣したというT先生によると、先週は白(パールカラー)のワーム(疑似餌)が良かったとのこと。
まぁ、経験上先週の釣果というのはアテにならないもので、これまでもこの場所では釣れない時は「赤いワーム」という定番カラーがあったのですが、さてどうなることやら...。

ひょっとして雪が残っているかな?と思い、念のためスパイク付きの長靴を履いていたのですが、雪は全くありませんでした。ただ、3月とはいえまだ風は冷たく、防波堤の上に残った水が凍る可能性だって考えられます。用心に用心を重ねる意味も込めて、スパイク付きの長靴のまま防波堤の突端に向かいました(この選択が後に仇となることに)。

T先生お勧めのパールホワイトカラーのワームをセット、シンカー(錘)は取りあえず潮の流れ(早さ)を確認する意味も込めて5.3g、フックは2/0をセット。風を背に今季第一投!

ヒュルルルー...ポチャン!

風に流され、想定していた方向とは全く違う方向に着水。ええと、どんな感じだったかな...と、思い出すようにリフトアンドフォールを繰り返します。

ゴンッ!

いきなり竿先から伝わったアタリが、明確に手に伝わってきました。ヒット!!!!
グググ...。竿が撓ります。慎重にリールにラインを巻き取ると、いきなり22センチのクロソイが釣れました!!

これは幸先がいいぞ...と、ほくそ笑む僕。
程なく、T先生そしてK君にも同じようなサイズのクロソイが。

ちょっとちょっとー。いい感じじゃない?ひょっとして魚がクーラーから溢れちゃうんじゃない?....なーんて思ったのですが、明日晩の食卓を彩る必要最小限の魚が釣れればそれでいいや、いや、釣れるだけでもいいや、と思っていたので、欲は出しません。

最初の1匹が釣れてからしばらくして、ようやく2匹目が。1匹目とほぼ同じサイズ!この時点で既に彼ら兄弟は、二人で10匹近くを釣り上げていました。彼らは既にキャッチアンドリリースモード突入。食卓を飾る分、釣り上げちゃったのかよ!早っ!

日付が変わった頃、天気が急変。突如降り出したみぞれ。そして突風。ムムム....。
さっきまで、この時期にしては珍しく反対側の堤防に2つの人影が見えていたのですが、彼らの姿もいつの間にやら見えなくなっていました。
ここで、3匹目をヒット!またしても同じようなサイズ。ここまでサイズが揃うのも珍しいね。なんて話をしながら、僕は釣り上げた魚をクーラーに入れていたのですが、この時、膝から下に、何か虫でも這うような感覚を覚えたのです。やがてその虫は、膝から下だけではなく、手から腕、首の周りにもまとわりつくようになりました。

何だ何だ?この感覚は???

とその時、K君が叫んだのです。

「気になって釣りにならねー!!帯電してるわー!!」

そう、虫の正体は、静電気だったのです!!一瞬「か、雷!?」と思って竿を放り投げたのですが、どうやら雷ではなく、気圧の急激な変化に伴って帯電を始めたらしく、3人揃って身体全体に静電気を帯びた状態に...。

ちょっと動くと、うーん...。ピリピリと静電気の痛みが走ります。ここまで帯電した状態になった事って、ないかもな。
...と、竿に手をかけたその時でした!

バチンッ!!

もの凄い音を立てて、僕の手から青い火花が散ったのです!!

そう、帯電していた掌から、電気を通しやすいカーボン製の竿に力一杯通電したというわけ。

いっでーーーーーーっ!!

一気に竿を持つ気が失せました。
そこでT先生、あることに気づいた。
「あれ?のんべ今日スパイク付きの長靴穿いてるって、言ってたよね?」
「うん。何で?」
「それってさ、スパイクから地面に通電してるんじゃねぇ?だって、金属でしょ。帯電じゃなくって、ずーっと通電したまんまだよ。」
「そ、そうか....(凹)」
「車の中に長靴載ってるから、履き替えてくればいいよ!」
「う、うん.....。サンキュー。」

文字通り「電気ショック」に襲われ、すっかり憔悴していましたが、彼らは既に「さっきほど帯電状態にはないよ」と余裕の表情。
ホントにこのまま車に逃げ込んでしまいたい気分でしたが、気を取り直しT先生から長靴を借用。

なるほど。
確かにさっきほど帯電状態ではなくなったな。ウン、これなら大丈夫かも...。
と思ったら、今度は冷たい雨。しかも凄い風。何なんだこれは...。

しかも、風に気を取られていたちょっとした隙に、獲物に潜られた...。感触から言ってかなりの大物と見た。
逃した獲物はデカいといいますが、これはなぁ.......。

うーん、以前の僕ならここでぶち切れするんだが、昨日はなんだか冷静でした。
で、潜られたまんまの状態で、しばらく放置(笑)。

するとするとっ!!

潜っていた魚が出てきたのよ!マジで!!

フッと竿が軽くなった瞬間、ムンズとゴボウ抜き!!来たれ!大物!ええい!出会えい!出会えい!!

...って、騒いでいた割には同じサイズでした。騒ぎ過ぎた。ゴメン...。

気を取り直して、と...。

コツン!!

あれ?アタリ弱いけど、何か釣れたような気が...うん、釣れてる釣れてる...って、おい!ちょっと重いかも!?
す、すいません、タモ網お願いします!いや、今度はホントですから...。

T先生、タモ網を入れて掬い上げた途端。
「うわー!でっけぇ!」

え?でけぇソイがやっと釣れたか!?

「でっけぇカジカだなー!」

...........。
そうか、カジカの存在を忘れてた。パールといえばカジカ、カジカといえばパールだったな...。そのグロテスクな風貌を見ながら、半ばがっかりするも、実は今年初見参だったことを知り、ちょっとだけ気を取り直します。いや、これも鍋にすると美味いんだホント。

結局僕は釣り損ね2匹、潜られ1匹で、クロソイ5匹(うち1匹リリース)カジカ1匹という釣果でした。

最後、リリースサイズを釣り上げたところで、01時45分終了。いつもより1時間以上早いね。

帰りの車中。
「ところでT先生、今日どれくらい釣ったの?」
「うーん。30匹くらいかな。最後は1投1引きだったよ。全部クロソイだけどね。」
「.........(汗)。そういえば、チャポンチャポンって音してたの、釣った魚をリリースしてたのね...。あ、あれ?K君は?」
「途中まで数えてたんですけど、18匹くらいだったかなぁ...。」
「..........................(汗)。あ、そ、そうなんだ。す、凄いね二人とも。」

いやはや、流石の一言に尽きます。恐れ入りました。というかあんたたち、釣れ過ぎ(笑)。お祭りじゃないんだから。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://nonvey.oops.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/5496

コメント(2)

夜釣りなんてこの寒い中をよく行きますね??。
でも釣りたてお魚は美味しいし、釣りも楽しいしで少しくらいの辛さは吹っ飛んでしまうのでしょうね(^-^) 

ソイは弘前にいたとき食べましたが美味しかった記憶があります。高級魚ですよね。東京ではめったに見かけない魚です。

釣りをしているときの帯電や通電状態って凄いんですね。静電気のいたづらはいろいろな所にでるんですね。ビックリしました。

基本的に、釣りに季節は関係ないんです。今冬はかなり回数が減りましたが(というかほとんど行っていない)、一昨年前は冬だろうが大雪だろうが氷点下だろうが構わず釣行に出かけていました。月換算で2回は足を運んだかな?
もちろん日によっては何も釣れないこともありましたが、ここ一年ぐらいは夜釣りで何も釣れなかった、という記憶は残っていません。ちょっとだけ腕が上がったかな?(笑)
一口に「ソイ」といっても、実は結構種類があって、それぞれ味も異なるんですよ。ちなみにこの時期のクロソイは、身が締まっていて適度に脂が乗っています。これから更に「荒食い」の時期になりますので、釣果が期待できます。そして、もう少しすれば他の種類のソイも顔を出し始めるはず。こちらも楽しみです!

しかしあの帯電には参りました。もともと静電気を発しやすい体質なのですが、あれほど激しく放電するとは思いませんでした。

コメントする