2006年5月31日

勝てた試合だった。よね?

ドイツ 2-2 日本
ハッキリ言えば、勝てた試合だった。いや、あそこまで行ったら、勝たなければならない試合だったのかも知れない。

試合後の、中田の言葉に説得力がある。
「このチームになって最高のゲームだったと思う。いくら練習しても、これでいいというものは、見いだせない。パーフェクトは無理だと思う。」

確かにそうだ。これまでの鬱憤を晴らすような試合内容だったし、これまでどの試合を観ても、パーフェクトなんてあり得なかった。
ピッチに立った選手がそれぞれ「何をすべきか」ということを十分に理解しながら臨んだ試合だったような気がする。
後半、立て続けにゴールを割った高原のプレーは見事だった。日本は得点力不足を叫ばれていたが、彼のゴールは賞賛すべきだろう。あとは柳沢が不用意に出しゃばらなければいい(笑)。

それと、高原に代わって投入された大黒が、短時間で訪れた数度の決定的なチャンスをモノに出来なかったのは非常に残念だった。もちろん大黒にしても不本意だったことだろう。軽いスランプに陥っているのだろうか。
まあいい。あとは、W杯本番に合わせて調子を上げて来てくれさえすれば。

一方のDF陣。加地の怪我がどういった影響を及ぼすか。それはもとより、セットプレーからの失点ではあったけれど、2点を貰っていながらそれを守りきれなかったということは、まだまだ鉄壁の布陣ではないということ。このあたりは見ていて不安が残る結果となった。ドイツの選手は大きく、スピードもあるが、予選で戦うオーストラリアはさらに高さがあり、クロアチアはプラスくせ者的な技を持ち合わせている。ブラジルは言うに及ばず。

正直言って僕は、今の日本が予選リーグを突破できるとは思っていない。
しかし、今回の引き分けで、ひょっとしたら...という可能性もちょっとだけ出てきたのではないか、と思った。

ドイツは開催国としての意地もあっただろうし、このゲームにより先発メンバーを決めるらしいということで、かなり本気で来ていたと思う。
高原の2得点により、完全に本気モードにスイッチが入ったことだろう。それを裏付けるのが、後半2点ビハインドになってからの、再三のファウルである。この後1点返すまで警告を2枚貰っていることを考えても、ドイツは相当意地になっていたに違いない。そういう意味では、結果的に引き分けに追い込まれたものの、圧倒的アウェーの状況で先制したということは、日本にとって大きな自信に繋がることだろう。

高さに対する不安の声が多く聞かれる。答えは簡単。空中戦に持ち込まなければいいのだ。不用意なCKは与えない、ロングパスも極力阻止、あとは地面でボールを蹴って勝負すればいい。高さで勝負できないなら、地面で勝負だ。地面により近い目線にあるのは、日本なのだから。

スピードに対する不安の声も多く聞かれる。答えは簡単。スピード勝負しなければいいのだ。相手へのスペースを作らない。走らせない。さもなければとことん走らせて疲労を与えればいい。相手にスキを与えなければ、きっとチャンスは巡ってくる。

技の違いに対する不安の声も聞こえてくる。答えは簡単。個人技にはチーム技で対抗すればいい。1対11なら、勝ち目もあるというものだ。個々の能力は劣っていても、それを上回るチームの結束力があれば、きっと勝機は見出せるはずだ。

あとは、数少ないチャンスを絶対のモノにする力。これが備われば、日本だってそれなりに勝ち進むことが出来ることだろう。

今回の結果は、ここ最近の戦いでどうもスッキリしなかった日本に、一筋の光明を与えたかも知れない。
過度の期待は禁物なのはわかっている。そして、パーフェクトも求めようとは思わない。しかし、ここまで来たのだから後には引けない。いい形でW杯を迎え、また日本中を熱狂させて欲しい。

あとは、マルタ戦で元の木阿弥にならないことだけを祈る。完膚無きまで相手を打ち負かす、それぐらいの勢いを見せて欲しい。

国内では、4分の1の人がW杯に関心を寄せていないそうだ。それが5分の1、10分の1、100分の1になるくらい、惹き付けるプレーを魅せて欲しい。ちょっとだけ期待しています。

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ちょ・・・テレビ中継終わってないのに、スポナビのトップにいきなり結果出てんじゃん 続きを読む

コメント(2)

何かnonveyさんの「答えは簡単」を読んでると、ほんとだ、簡単だ?と思うのですが。
簡単じゃないですよ?笑。
でも、楽しみです。W杯。
大黒、す、スランプ?
ほんと?
頑張って欲しいです!!

イヤ、全くその通り。
机上の理論と実践は全く異なるものです。ピッチの状態、選手のコンディション等々。
大黒のプレーは、昨日改めてVTRを見てみると、難しいボールばかりでしたね。
本番で決めてくれればそれでいい。
ワクワクしてきました。

ブラジル相手に...なんてことになればいいのですが。

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