2009年1月29日

【ネタばれちょっとアリ】 動く山下達郎 (青森公演レポ)

自分で勝手に決めた誕生日前夜祭と称して、昨晩行われた「山下達郎 Performance 2008-2009」青森公演に妻と行ってきました。
いやぁ...ただただ圧巻でした!

ご本人から「まだツアーの3分の1なので、ブログや掲示板でこのライブのご感想を書き込む方もいると思いますが、くれぐれも【ネタばれ】にはご配慮をお願いします。」ということでしたので、敢えてセットリストは掲載しません。

が、感想は述べさせていただきます。


さらに、以下ちょっとだけ【ネタばれ】ありです。興味のない方、ご覧になりたくない方は、ここで中座願います...。

 

 

 

 

 

 

 

 

公演時間はアンコールを含めてきっかり3時間でした。18時30分からの開演予定時刻を10分ほど押してスタートし、アンコールの最後が終わり、本人が袖に下がって、客電が点ったのが21時40分。
客層は、40~50代が中心だったでしょうか、僕たちはどちらかといえば「若輩者」だったようです。
足腰への配慮からか、観客が総立ちになることは一度もなく(苦笑)、僕たちも本編終了間際(アップテンポのナンバーが続いた)あたりから遠慮がちにようやく立ったのでした。というか、僕たちの席は2階席の前から2列目という絶好の位置だったのですが、最前列の観客が我慢できずに立ってしまったため、ステージが見えなくなってしまい、やむを得ず立った、というのが本当の理由です。座っていても十分楽しめるパフォーマンスでしたけどね!

それにしても、今回のツアー自体が6年ぶり、青森に来るのはなんと17年ぶり(!)だったそうです。今回ツアーに至るきっかけとなったのは大阪フェスティバルホールの閉館だったとのことでしたが、サポートメンバーが揃わなかったこともライブができなかった理由の一つとして挙げていました。

そしてもう一つ。
青森の会場は音がいいんだって!!「これ、どこでも言ってると思うでしょ。そんなことないんですよ!」と言っていました。三本の指、とまで言っていたなぁ。相当いい音なんでしょうか。確かに改装後は音の歪みがなくなりましたしね...。
ということで今回のサポートメンバーには達郎さんが全幅の信頼を寄せているようで、「今までで一番いいメンバーかもしれない」と、手放しで絶賛していました。そしてそのことを反映するように、多くの楽曲でソロパートが披露されました。

Bass : 伊藤広規
Keyboard : 難波弘之
Guitar : 佐橋佳幸
Sax : 土岐英史
Chorus : 佐々木久美
Chorus : 国分友里恵
Chorus : 三谷泰広
Drums : 小笠原拓海
Keyboard : 柴田俊文

ギターの佐橋さんは、去年の佐野元春の時にもお目にかかっているし、渡辺美里のサポートとして帯同した時(もうかれこれ20年前)から観ています。最近では「松たか子の旦那」という肩書きもついて回るようになってしまいましたが、個人的には「あ、この音は佐橋の音だ!」というぐらいまで演っちゃって欲しい人の一人です。陰ながら応援しています。

今回から参戦したのが、ドラムの小笠原さんとキーボードの柴田さん。あれー?柴田さんどっかで名前聞いたことあるなぁ、と思ったら、その昔、宮原学と元レベッカのメンバーが組んだバンド「Baby's Breath」のメンバーに名を連ねていたんですね。懐かしい!!

そして特筆すべきはドラムの小笠原さん。弱冠24歳という年齢ながら、超凄腕ドラマー。ホントに凄いです!達郎さんは相当惚れ込んでいるようで、その将来性に太鼓判を押していましたが、実際、そのドラムテクニックには無駄がなく、しかも若いのに、何か余裕を持って楽しみながら叩いているんですよね。思わず見とれてしまうことが、何度もありました。今後がとても楽しみな逸材。将来、間違いなく屈指のドラマーになることでしょう。

ステージは煉瓦造りのホテルの屋上をイメージしたセット。青森の会場はステージの横幅がそれほどある訳じゃないので大分こぢんまりとした感がありましたが、演奏が始まった後に、看板がくるりと回ると「TATSURO YAMASHITA 08-09」の電飾が現れます。これ、かなりオシャレです。

青森が17年ぶりということもあってか、はたまた自身の誕生日が近いからか、当然のことながら年齢ネタ満載のMC。
まもなく御年56歳になる達郎さん、MCでは、21世紀に入ってから「不遇の時期」を過ごしていたようで、レコード会社との軋轢も相当あったようです(ひょっとしたら「Rarities」は軋轢からでた副産物か?)

アルバムを発表していない中でのライブでしたので、新旧織り交ぜた、いわば「いいところ取り」の選曲でした。何でもご自身で書いた楽曲が200曲を優に超えるということで、当然「あの曲をやらないのか!この曲はどうなんだ!」という不平不満もあるかも知れませんが、個人的には大満足におまけがつくぐらい満足でした。

考えてみると「動く山下達郎」なんて、テレビでOAされることもほとんどないので、ステージを生で観られること自体貴重ではありますが、ステージ上で唄い、ギターを弾き、客から笑いをとり、ステージ真下に控えるコンサートスタッフ(たぶんバイト)に苦言を呈し、そして感慨深げに観客に手を合わせる姿、どれ一つとっても「生身の山下達郎」、それも「もうすぐ56歳になる今の山下達郎」を観ることができたことは、僕自身にとって本当に貴重な体験になりました。

というか、このライブを観た後にジャネット・ジャクソンは、ちょっと辛かったかも知れません。何というのかな、本当にお客さんに音楽を聴いてほしい、今の歌声を聞いてほしい、そしてステージを楽しんで欲しいという演出がふんだんに織り込まれていて、観る者に息つく暇も与えないようなステージ構成でした。

このライブのチケットが取れてから、どうしても生で聴きたいと思い続けていた「蒼氓」は、季節はずれの「あの曲」の後に演奏されましたが、期待以上の迫力に、思わず泣いてしまいました。

電車の時間があるからなのかそれとも眠くなったのか、本編終了時点で席を離れてしまった人も結構見受けられましたが、アンコールを聴き逃したこと、セットリストを知れば、たぶん後悔すると思いますよ(笑)。

終わった後はなんだか放心状態。口をついて出てくる言葉は「すごいなぁ」ばかり。いいもの見せてもらった、とはまさにこのことを言うのでしょう。対価以上の何かを得たような気分で、会場を後にしたのでした。今まで観たライブの中では、3本の指に入るような素晴らしい内容だったと思います。まさに誕生日前夜祭にふさわしい時間を過ごすことができました。


というわけでどうでもいいことですが、今日で38歳になりました。いよいよ四十路の足音が迫ってきました...。
あ、このブログも今日で10万カウント超えるのかな?


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