1.17が有耶無耶になった日
阪神淡路大震災から、11年の月日が流れました。
僕はあの日、職場のテレビモニターから流れてくるその映像を、まるで映画を見るような複雑な気持ちに襲われながら、その画面に釘付けになっていました。
都市直下型地震の恐怖や惨状を、色んなメディアを通じて思い知らされました。僕自身も、大きな地震に一度遭っていましたので（日本海中部地震）、身の引き締まる思いでした。
あれから11年。昨日の慰霊祭では、わずか2歳の時に両親と兄を亡くし、震災孤児の身となった湯口礼さんが、犠牲者の名を刻む「慰霊と復興のモニュメント」前で、遺族代表として追悼文を読み上げましたが、「震災で亡くなった人たちもみんなが元気だと、うれしい気持ちになると思う」と心境を語ったそうです。
役目を終えた湯口さんは、NPOの方に「胸につかえたものがスゥッと下がったような気分で、スッキリした。」といったようなことを吐露したそうです。
10年一昔とはいいますが、11年経った今はもちろんこれから先も、被災された方々の心の傷が癒されることはないでしょう。
ところが、自治体主催の追悼行事が縮小傾向にあるとともに、市民による手作りの行事も減っているそうです。
もちろん僕はあの日あの場所にいたわけではありませんので、何を言っても他人事になってしまうのかも知れませんが、ボランティアや住民自治が見直され、NPOが飛躍的に増加したきっかけとしても、1.17を忘れてはならないのではないかと思います。
さて、昨日のニュースを観ていますと、厳かな気持ちで1.17を伝えるのかと思いきや、顔を見るのもうんざりな「あの男」と、出しゃばりで喋りたがりな「アノ男」のこと、昨今の子供を狙った事件の発端となった「オタ男」のことばかり。
前者の「あの男」は、言っていることは立派かも知れないけれど、あれじゃ補佐人の弁護士に「言わされている」って感じでした。自分の言葉になっていない。というか、なぜあの場に自分がいるのかということさえも理解していない、そんな雰囲気でした。それに、議員連中も何を聞きたいのか、まったくワケがわからない。本来、どういった経緯で偽装が行われたのかを聞かなければならないのに、どの議員とどういった関係があるのかという与野党の攻防をやっているだけ。そういうのは、証人喚問の場ではなく議会で討論して下さい。
というわけで昨日は、ハッキリ言って証人喚問の体を為していない！
再喚問だ！と息巻く議員もいましたが、あんな証人喚問が繰り返されるようじゃ、国民は誰も納得しないと思いますよ。議員の皆さんは、国民の代表として選ばれているんですから、党の損得や駆け引きを考える前に、被害者の立場に立って質疑していただきたいですな。
後者の「アノ男」は...。まぁ、あそこまで捜査の手が及んでいるということは、お縄頂戴も十二分にあり得るんでしょうね。IT業界の盟主として急成長したまではよかったですが、奈落の底に落ちるのも早そうな予感。同じような事をしている企業、もっと出てきそうだなぁ。しかも、株価の反応も敏感で、景気回復にも暗雲か？
何でも、下がった分の株価を弁償しろ！なんていう勘違い野郎もいるみたいだけれど、一口でも株を持っている以上、全ては株主の責任。そういうリスク覚悟で株に投資しているんだよね？違うかな？
「オタ男」は...死刑制度には賛同しかねるところがあるけれど、どうなんだろう。早く執行して欲しい気もするし...。そもそも彼に反省を求めるのは無理なんだろうか。長い間行われた裁判も、精神鑑定の是非ばかりが争点となって、結局どういったいきさつで犯行に及んだのかはもちろん、謝罪の言葉も聞けずじまい。今も調子に乗って「俺は無罪だ！」なんて叫んでいるって...どうよ。自分の犯した事を「罪」と感じていない時点で、こりゃ何とかしなければならないと思うんですが...。この際だから、玉抜きサオ斬り、いわゆる去勢でもしてあげたらどうなんですかね？麻酔なしで。なーんて事を言ったら、非人道的だ！って非難されるんだろうか。それ言ったら、ヤツの犯した罪の方がよほど非人道的でしょ。というか、とても同じ種類の生き物がやったこととは思えないんですが。
しかも、今でもヤツを支持する輩がいるっていうのが、今の日本の病んだ部分を露骨に表しているような気がするんですよね...。
結局ヤツは約17年間を刑務所で過ごしているけど、その間どれだけの税金が注ぎ込まれたことか...。
そんなわけで、３人の男によってかき回された1.17。
結局1.17の神戸の模様は、これらのニュースが終わった後、ほんの僅か放映されただけでした。
そんなニュースを観ているだけで、陰鬱で不愉快かつ複雑な気分になりました。
「1.17を風化させるな」と声高に叫ぶマスコミ自らが、追悼行事について報じることを徐々に規模縮小していってるんだもんな。
何だかなぁ........。
コメントする