2006年1月16日

一時孤立状態

県道に面した我が家の駐車場の背後には、かつて事務所用に建てられ、現在は物置として使っている7坪ほどの建物がある。
この建物はほぼ片屋根になっていて、屋根に降り積もった雪は建物の背後に落雪するようになっている。

しかし、(思えば)既に30年近くの建造物で、屋根の滑りも非常に鈍くなっているような状態。さらに実に微妙な屋根の角度のため、降り積もった雪がなかなか落雪しないというのが、ここ数年の悩みの種であった。というのも、我が家に出入りするにはこの建物の横をすり抜けて行かなければならないのだが、ほぼ間口いっぱいに建てられた建物であるが故に、通路の幅は人が一人通れる程度。つまり、この時期は屋根からの落雪の危険と常に隣り合わせなのだ。

去年に引き続き、今年は記録的な大雪が各地で観測されている。他聞に漏れずこの物置の屋根にも、深々と雪が降り積もっていた。しかも、降り始めから今日まで一度も落雪することなく、ずーっと屋根の上に乗ったままだった。

先週末あたりから急に寒気が緩み、全国各地で雪崩被害が相次ぐ中、この物置からの屋根雪もいよいよ落雪が近いことを予感させる状態にまでせり出してきた。
当然ここを横切る時は小走りである。パッと見た感じ、屋根雪の厚さは軽く50センチを超えているだろうか。しかも一番下の層は、完全に氷塊になっている。

手っ取り早いのは、屋根に登って雪下ろしすることなんだろうけれど、何せ屋根はハシゴもやっと届くような高さにあること、しかも屋根の横から雪がはみ出しているような状態にあったので、下手をすると何かの拍子で屋根から落雪があった際、屋根雪もろともハシゴも巻き込まれ、こっちが怪我をする可能性が極めて高いと考えた。

結局今日まで静観を決め込んでいたのだが、さすがにちょっと危ないなぁと思い、思い切って倉庫の中から窓を開け、長い棒で屋根雪を突いてみた。
しかし、氷塊となった部分をただ突いているだけで、ほとんど用を成さなかった...。

夕方の段階で、約1m近いせり出しを確認。今日明日には間違いなく落雪することを確信。

そして今朝。
母が小躍りしながら「落ちた落ちた♪やっと落ちた♪」と喜んでいる。
そう、物置の屋根雪がようやく落雪したのだ。

ところが...。
落ちた雪を見て目が点になった。
落ちたのはいいのだが、一気に約7坪分(傾斜しているのでそれ以上の面積がある)の雪が綺麗に屋根から落雪してしまったため、通路が完全に塞がれてしまった。低くても1m、高いところでは3m以上の落雪だろうか。

この段階で、県道と我が家を結ぶ通路が寸断されてしまったため、大げさではあるが一時的な孤立状態に陥った。
しかも、ちょうど出勤直前の時間帯。
ヤ、ヤバイ。出勤出来んぞ、これは...(汗)。

応急措置として、慌ててスコップで人ひとりがやっと通れる通路を設置したが、その雪の重みに辟易してしまった。
スコップでも掬えないような氷塊がゴロゴロ転がっていたとともに、雪が重みでビッシリ締まっていたため、ちょっとした雪の量でもハンパじゃない重さなのである。

ざっと計算すると10立方メートル以上の雪。締まった雪だということを考慮すると、恐らく2トン近い雪の重みである。これが、約3mの高さから一気に滑り落ちてきたのだ。

こんなのが頭に当たったらひとたまりもないだろうし、この量の雪が一気に落ちてきたら、生き埋めにもなるだろう。雪の重みを考えると、助かる保証だってない。
もし誰か巻き込まれていたら...なんて事を考えたら、ゾッと悪寒が走った。

結局、約10分で暫定的な通路を設置。しかし、ほんの一瞬だけではあるが、孤立状態に陥ることの怖さを体感したのだった。

ふと思った。
僕自身、大雪だ何だと騒いでいたが、こんな雪ではまだ大したことはない。雪さえ片づければ普通に生活できるし、衣食住に不自由することもないのだ。
それを考えると、北陸地方を中心に大雪被害に遭われている方々が、どれほど苦労していることか...。

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