2010年4月22日

津軽弁(言葉じゃなくて弁当の方)

「津軽弁」販売を開始/JR弘前駅

 津軽の伝統料理や郷土料理、名産品をたっぷり詰め込んだ弁当「津軽弁」の販売が21日、JR弘前駅の自由通路でスタートし、津軽弁に認定された36種類のうち7種類が店頭に並んだ。
 津軽弁は、観光客や地元住民に愛される津軽ならではの弁当づくりを目指す「駅弁・空(そら)弁(べん)・津軽弁プロジェクト」から生まれた。
 この日は午前10時から販売が始まり、貝焼き卵みそなどの郷土料理やシャモロックのカツサンド、蔦温泉(十和田市)名物の「鶏重」など個性豊かな津軽弁が売られた。
 駅を訪れた観光客や市民は津軽の味を試してみようと、店員から説明を受けながら、それぞれ興味のある津軽弁を買い求めていた。
 秋田屋仕出し店の秋田麗子専務は「津軽の食材を使った弁当をお客さんに味わってもらうことで、地域活性化につながれば」と話し津軽弁をPRした。販売は毎日午前10時から午後3時まで。価格は500~1100円。

(2010/4/22 木曜日 陸奥新報)


その昔、弘前駅にも駅弁を販売する伯養軒があった時代があったんだけど、2度にわたる駅の大改築とかいろいろ経て、気がついたら伯養軒はなくなっていた(まあ、伯養軒自体が債務超過に陥って事業譲渡した、という経緯もあるのだけれど)。

弘前駅の売店も、駅が改築されるたびにどういうわけかどんどん規模が小さくなってしまったため、旅行客のための弁当がほとんどなかった。聞いたところでは、改札横にある申し訳なさそうなぐらい窮屈な売店で、青森の駅弁が売られているらしいが、おそらく大概の旅行客であれば、観光地の駅にありそうな当たり前の「駅弁売り場」を探すだろうし、まさか観光客も多く訪れる弘前に、JR秋田支社管内で乗降客数第2位を誇る弘前駅に「駅弁売り場がない」なんてことは想像もしなかったことだろう。だから地元民としては、楽しみにしていた駅弁を買いそびれ、隣接する駅ビル1階のコンビニから寂しげに弁当やおにぎりの入ったビニール袋を手にして出てくる観光客を見るたびに、本当に忸怩たる思いに駆られたし、実際仕事でお付き合いのあった商工団体の関係者には、「なぜ弘前駅ビルにはまともな飲食店がないのか。なぜ弘前駅では駅弁を販売しないのか。観光客がどういう思いでコンビニから弁当を購入するか真摯に考えて欲しい」と伝えたことがあった。

このことについては、以前から「弘前の人たちは、東北新幹線新青森駅開業に向けて全然観光客をもてなそうという気概が感じられない」とこのブログでも嘆いていたところだが、それはとんでもない勘違いだった。

実際わざわざ僕が商工団体の関係者に言わなくとも、(社)弘前観光コンベンションを始め、同じような危機感を抱いていた人や団体はいたようで、その結集の賜物が今回の「津軽弁」ということになるわけだ。

弘前駅の自由連絡通路の他、青森空港でも販売が始まったようで、この他の駅や地域でも相次いで販売が始まるようだ。青森の人は売り込みが下手だ、というのをどこかで聞いたことがあったが、開発に携わった人たちが自ら手売りすることで、県内外にいろんな繋がりが生まれて行くことにも期待。
単なる足の引っ張り合いだけでは何も生まれないということを、他の関係者にも思い知らせて下さい(笑)。

東北新幹線新青森駅開業後は、更に乗降客が増えるであろう弘前駅。「弘前はいいところだ、津軽にまた来たい!」と思っていただけるような取組が、どんどん広がればいいと思う。

個人的な話になるが、インタビューに応じていた秋田専務とは昔からかなり深いお付き合いがあるし、弘前料理飲食業組合理事長の竹林さんとも、父の生前から懇意にして頂いている。「津軽弁」の取組は、津軽の食材を利用しながら、津軽を県内外にPRする絶好の機会だ。何よりも、「駅弁空白地」だった弘前駅にとっても、プラスとなる取組ではないだろうか(まぁ、JR関連企業が最初から取り組んでいれば話は別だったけれど)。ということで「津軽弁」、陰ながらではあるがずっと継続されるよう是非とも応援したい。ただ、僕が駅を利用する時間帯は、「津軽弁」が販売されていないというのが痛いところ。

アンケートとか、取っているのかな。弁当に対する評価とか、気になるな。ああ、またいろいろまた口を挟みたくなってきたけれど、我慢我慢。取りあえず土曜日様子を見に行こうっと。

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