2010年5月10日

三浦酒造店訪問記

妹が帰省した際には、弘前市石渡にある三浦酒造店を訪れることが定番となりつつある。 このGWも例外ではなく、5月8日に訪問してきた。
弘前市石渡・三浦酒造
逆光になってしまいました。
正直言うと、僕は普段から日本酒を嗜む方ではないし、講釈や蘊蓄を垂れるほど知識も持ち合わせていない。飲み会の席上、勧められるがままに日本酒を口にすることはあっても、自分から積極的に飲むこともほとんどない。

だが、ここ三浦酒造店の日本酒は別だ。いわゆるキリッとした、舌をピリピリさせるような辛口の酒ではなく、果実酒のような芳醇でフルーティーな香りがぱっと広がる。そして、舌の上から喉に掛けて優しく流れるその味わいは、決して翌朝に残ることのない飲み口なのだ。

三浦酒造店の主力銘柄といえば、なんといっても「豊盃」である。 その昔、某雑誌で「ポスト十四代」と評され、一気に知名度を上げることになった「豊盃」。しかしながら、僕に言わせれば(一度しか飲んだことはないけれど)「十四代」より遙かに飲みやすい日本酒だと思うし、三浦酒造店にしてみれば、「ポスト十四代」として名を馳せるというのは本意ではないことなのかも知れない。

ただ、それよりも特筆すべきは、昭和3年の創業以来、脈々と受け継がれてきた「豊盃」という銘柄を、現在ではまだ若いご兄弟(二人とも僕より若い)が杜氏として切り盛りしているということ、そして、ご家族の皆さんも力を合わせて三浦酒造店を支えている、ということだろう。

今回も三浦酒造店をお邪魔すると、弟さんご夫婦が対応してくださった。 ここで造られたお酒は、もちろん三浦酒造店の店頭でも販売しており、「豊盃米」そして「花吹雪」というそれぞれ異なる酒米を用いて醸造された純米吟醸をはじめ、一つのタンクから四季に分けて絞るという「豊盃倶楽部」、豊盃の中でも定番となった「ん」など、思わず目移りしてしまうほどいろんな種類が並んでいる。しかも、どれもリーズナブルな価格で手に入れることができるのだ。(あ、市価より安く販売しているという意味ではありません。元値が安いのです。)
弘前市石渡・三浦酒造
この玄関の奥に、販売用の酒が並んでいます。
弘前市の一酒蔵から全国区までに名を馳せるようになってしまったが、人気に乗じて販路を広げるということをすることもなく、決してスタンスを変えないところが、三浦酒造店のいいところだと思う。また、お店を訪れると、皆さん本当に和気藹々と気さくにお話して下さる。こういう飾らない姿勢こそが、僕たちの心をガッチリと掴んでいるのだろう。

そして、ここを訪れたときは、必ず外にある蛇口から脈々と流れる水を飲む。岩木山からの伏流水で、醸造にも使われている水だ。出来れば汲んで持って行きたいぐらいだ。それぐらい旨い。
弘前市石渡・三浦酒造
脈々と流れる水。玄関の横にあります。
家用には「豊盃倶楽部」の四合瓶を購入したが、これ以外に5本ぐらい購入したことは、秘密。
弘前市石渡・三浦酒造
豊盃にしてはちょっと辛めながら、ふんわりとした口当たりが優しい。相変わらず美味かった!
弘前市の郊外にあるので、移動手段に悩むところではあるが、興味のある方は是非足を運んでみてはいかがでしょう。


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