2010年5月17日

「なかた屋」のつけ麺

ほぼ月1のペースで足を運んでいる弘前市神田の「なかた屋」。
何でも「つけ麺」を始めたということなので、早速どんなものなのか食しに行った。
店頭には、それまでは見かけなかった大きな甕が二つ並んでいる。どうやらこの中で、つけ麺用の「かえし」を熟成させているらしい。

つけ麺は中(650円)、大(700円)、大大(750円)の三種類。僕は大を注文してみた。

弘前市神田「なかた屋」のつけ麺

しばらくして運ばれてきたつけ麺。スープは魚介系の濃いめで、背脂が浮いている。極太麺の名が示すとおり、この店の中ではもっとも太い麺が登場。チャーシュー3枚にメンマ、ネギと、上に魚粉が振りかけられている。
これと一緒に、ポットに入れられた割り下が運ばれてきた。食べ終わった後スープを薄めて頂く、ということだそうだ。

ドンと盛られた300g以上の麺に一瞬たじろいだが、口に運んでみるとスルスルと入っていく。麺が太いので、一度取ると丼からどんどん麺が減っていくのがわかる。濃い目で酸味のあるスープとの相性もピッタリだ。背脂が入っているとはいえ、極端にギトギトしているわけでもなく、むしろ思った以上にあっさりしているのだ。

もう一つ、テーブルにはつけ麺専用の香辛料が置かれていて、唐辛子を香味ネギと混ぜたもののようだ。
ただ、こちらも少しだけ試してみたが、劇的に味が変化するというものではなく、香味ネギの風味も正直あまり感じることが出来なかった。むしろ、普通の胡椒の方が合うような気もする。

気がつくと、あっという間に平らげたといってもいいだろう。全て食した後ポットに入った割り下(魚介スープ)で割ってみると、なるほどこれまたちょっと違う味わいが楽しめる。ご飯が合いそうなスープだ。
余談ではあるが、妻が注文して食べていた煮干し中華を一口頂いたのだが、つけ麺を食べた後だと極端にあっさりしていて、物足りなさすら覚えるぐらい。裏を返せば、それぐらいこの「つけ麺」が濃厚だった、ということなのだろう。
しかしこの店、僕の好みのツボを憎らしいぐらいにどんどん突いてくるなあ。まぁ、これ以上何か出てくるのかという期待はしていないし、むしろこれ以上新メニューを増やさないで欲しいな(笑)。

さて、おまけ。
この間妻の会社の近くにある看板を激写。

弘前の交通安全看板

「うぬうぬど けんどわだれば ひがれるろ」

何かの暗号のような看板だが、津軽弁としてはちゃんと意味が通じる。

他の地域で言うならばこういうことだろう。
「右も左も確認しないで道路を横断すると、車にひかれてしまうよ!」

じゃあ「うぬうぬど」が「右も左も確認しないで」、という意味かといえば必ずしもそういうわけではなく、要するに脇目もふらずに、みたいな意味を持つ。
「けんど」は県道のことだけど、一部の年配者は県道だろうが市道だろうが農道だろうがお構いなしに「けんど」と言う人がいる。たまたまこの看板の設置されている前の道路は県道なので、用法としては間違っていない。
最後、ひがれる、の後についた「ろ」。
これが一番難しい。「ろ」にはここで使っているように注意喚起の意味を込めて使う一方で、感嘆の意味を込めて使うこともあるし、蔑視の意味を込めて使うこともある。簡単に言えば、「ほら!」という言葉が津軽弁では「ろ」になってしまった、ということだろうか。

いずれにせよ、「うぬうぬど」も「けんど」も「ろ」も最近ではあまり使わなくなった津軽弁なので、この看板に凝縮された標語を考えた人は絶対に年配者だという確信だけは持っておいて間違いなさそうだ。

余談ではあるが、この看板の設置されているすぐ近くの小学校は、妻の出身校である。実は妻の方が津軽弁使いの名手かも知れない。実際、僕が知らない津軽弁たくさん知ってるし(笑)。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://nonvey.oops.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/6168

コメントする