2010年6月 2日

【一言居士】鳩山首相の辞任

結局何一つ物事を決められぬまま辞任に追い込まれた鳩山首相。正直言って「サッパドした(清々した)。」し、今の政治にはつくづく失望した、というのが率直な感想だ。

本当に、これだけ混乱を引き起こす首相だとは思わなかったし、これほど腹の立つ内閣だとは思わなかった。
野党時代、内閣にキャッチフレーズを付けるのが得意(好き?)だった社民党の福島党首なら、自身も身を置いた内閣に、何とキャッチフレーズを付けるのだろう。

『財源なき』マニフェストを掲げた民主党、そしてマスコミや世論の誘導に流されるまま、勢いだけでそれを選んでしまった国民も、今一度その選択が正しかったのか、考えてみるべきだ。(今だから明かすが、財源の明記されていないあのマニフェストだけはどうしても信用することができず、民主党には投票する気になれなかった。)

それにしても、この8ヶ月は一体何だったんだろう。政治とカネの問題に始まり、高速道の無料化、普天間基地問題、こども手当、郵政関連法案...結局まともな議論が交わされたものは何一つないのではないか。

鳩山政権の成果を挙げるとすれば、国民の目を強く意識した「事業仕分け」ぐらいなのかも知れないが、あれだって結局「提言」しただけのことであって、いくら廃止だ見直しだと言っても、実は槍玉に挙がったいろんな事業が名を変え品を変え予算計上されていることは、あまり知られていないだろう。

蓋を開けてみれば前政権と大して変わらないバラマキ政治、挙げ句の果ては「我々は国民の負託を受けた」と嘯いては、ロクに議論も進めぬまま強行採決に踏み切ったことが何度あったことか。数の論理に物言わせ、横暴かつ強引に物事を進めていく為体は、ハッキリ言って自民党政権より酷いと思った。

一方で、野党に転落した自民党も酷いものだ。メッキの剥げかかったプラ板みたいなもので、いくら声高に何を叫ぼうとも全然響いてこない。そもそもコマの数が減ってしまってはどうにもならない。そしてそれは、他の野党も同じこと。二言目には鳩山退陣ばかりで、結局全然野党としての機能を果たしていなかった。

第三極を謳う新党も、無党派層の受け皿を狙っていることは見え見えで、口を開けば二大政党の批判ばかり、結局何をしたいのかはさっぱり伝わってこない。

今後我々は、鳩山政権になって以降、外交も内政も、ほとんど停滞あるいは後退しているということに、改めて気づかされることになるだろう。

それにしても、無党派層がこれだけ増えていることを鑑みても、もはや政党政治への期待感は大きく損なわれている。おそらく誰が首相になろうとも、期待を寄せる者はそんなにいないことだろう。それだけ政治家の地位はここ数年の間に失墜してしまったといってもいいだろう。

この際、全ての政党には解体して頂きたい。政党本位の政治だから有権者が見放す。これからは党ではなく人を選ぶ時代。選ばれた人物同士が意気投合してグループを作り、お互い是々非々の立場で切磋琢磨すればいい。

もう一つ言わせていただこう。
衆議院も参議院も、本当に妥当な定数なのか検証する必要があるのではないか。「顔だけ」「パフォーマンスだけ」「ただいるだけ」の政治家を、国民は望んでいない。

民主党は党役員が全員辞任し、内閣も総辞職することが決まった。おそらく後任には菅、前原、岡田あたりの名前が浮上してくるだろう(もっとも、我々にそれを選択する権利がないのが痛い)が、次に彼らがコケた時、残る道は衆議院の解散という道しか残されていないと思われる。なぜなら、自民党政権による短期間での首相交代を誰よりも批判してきたのは、他ならぬ民主党だからだ。

ひょっとしたら来年春までには、4年の任期を待たずに再び衆議院選挙が行われることになるのかも知れない。
となると、また無駄な税金が使われることになりそうだ。(敬称略)

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